わが友ホロゴン・わが夢タンバール

640.07 ホロゴン外傅163「2016年3月26日エルマジ95㎜f2が清水歩き」7 ソール・ライター



神戸元町の映画館で上映される写真家ソール・ライターの映画、
結局、野暮用ならぬ孫用で、見逃してしまいました。
いつかDVDを手に入れたいと思いますが、
まずじっくりと写真と向かい合う、
それがソール・ライターを知る最良の道かも知れません。

言葉は、ソール・ライターという人を理解するのに役立つかも知れない。
でも、私の知りたいのは、彼の人となりよりも、
彼の独特のストリートフォトの魅力の源泉です。
そのようなことが映画で、言葉で分かるとは思いません。
とくに彼の写真は独特で、かなり分かりにくいからです。

カルティエ=ブレッソンや木村伊兵衛の作品群のように、
キツリツする山岳を仰ぎ見るという気分はありません。
狙い澄まして、奇跡的な瞬間を乾坤一擲切り取ったという感じはなく、
とても自然体で、自身の感性のおもむくままに、
眼前に現れた、なんでもない瞬間を何気なく撮ったら、
ちょっとしたしゃれた光景が撮れていた、そんな感触。
誰でも見つけることができ、誰でも撮れ、誰でも魅力を感じる、
そんな瞬間ではありません。
だから、万人にアピールするわけではなさそうです。
でも、私にはぐっと来るものがあります。
全部が全部、感じることはできません。
というより、5枚に1枚程度。
でも、その1枚が私の心を振るわせてくれます。

私が撮りたいからではありません。
私には撮れないからです。
撮れないのに、ああ、なんてすてきな瞬間なんだ、そう思えるからです。

カルティエ=ブレッソンや木村伊兵衛のように
写真史の本流に位置する人ではありません。
でも、無視したり忘れたりすることができる写真家ではありません。
ストリートフォトを愛する人が巡り会ったとき、
ああ、写真っていいなあ、こんな写真もいいなあ、
と、幸せに感じさせてくれる路傍の花、そんな写真群。

そこで、この2組3冊の写真集を絶えず参照して、
彼の独特のストリートフォトの魅力の源泉はどこにあるんだろうか、
と思案するのですが、分かりませんね。
彼が独特の嗅覚と視覚をもっている、このことしか分かりませんね。

彼にはこの写真たちももつ独特の雰囲気やイメージが
撮るよりも先に分かったのです。
努力や工夫で独自の雰囲気を作り出していった可能性も否定できませんが、
私は、そんな工夫なしに、
彼はストレートに自身の写真世界を創造できたのだと、私は信じます。
工夫して作り出すような状況ではないからです。
しかも、自分ではそれに気づいていながら、
どこかに発表するつもりなどまったくなかったのです。
どうしてでしょうね?

彼が発表しないのですから、当然、誰も気づかなかった写真群なのですが、
どういう経緯でしょうか、これを見つけだし、
すてきな写真集を2冊作ったシュタイデルという人、
大した目利きですね。

ああ、私のことも誰か見つけだしてくれないかな?
あなた、そうお感じかも知れませんね。
でも、あなたがご自分の写真に感じている愛情、敬意を
他人が共有してくれると思ったら、
たいていの場合、大間違いですね。

たとえば、自分の顔。
あなたは自分の顔とずっとつきあってきたから、
なんとか我慢でき、ときには愛せます。
でも、誰が、あなたの顔をもらって自分の顔にしたいと思うでしょう。
そんな顔はまさに百万人に一人の顔。
あなた、自分がそんな顔も持っていると、自信を持って断言できますか?

おっと、
それでも、そんな自信を持てる人がいるのですから、不思議ですね。
たいていはそこまでの自信はないものです。
私は、まったくその自信がないから、鏡を見るのも苦痛。
もしかすると、ソール・ライターはそんな人だったから、
自分の写真が誰かになにかを感じさせるなんて、思わなかったかも知れません。

あなたも自分の写真について同じように感じているですって?
そう、それが正しいのです。
だから、無意味な願望を抱くのはよしましょうね。





c0168172_23413934.jpg
c0168172_23413451.jpg
c0168172_23412847.jpg
c0168172_23412261.jpg
c0168172_23411710.jpg
c0168172_23411161.jpg
c0168172_2341581.jpg
c0168172_2341045.jpg
c0168172_23405495.jpg
c0168172_2340482.jpg
c0168172_23404389.jpg
c0168172_23403764.jpg
c0168172_23402633.jpg
c0168172_23402090.jpg
c0168172_23401454.jpg
c0168172_2340848.jpg
c0168172_2340277.jpg
c0168172_23395687.jpg
c0168172_233949100.jpg
c0168172_23394271.jpg
c0168172_23393654.jpg
c0168172_23393161.jpg
c0168172_23392522.jpg
c0168172_23391992.jpg
c0168172_23391396.jpg
c0168172_2339814.jpg
c0168172_2339331.jpg
c0168172_23385858.jpg
c0168172_23385191.jpg

by hologon158 | 2016-06-06 23:42 | ホロゴン外傳 | Comments(0)