わが友ホロゴン・わが夢タンバール

646.11 ホロゴン外傅167「2016年5月18日スピードパンクロが下町十三にぞっこん」11 石川竜一



私は新聞は読みません。
20年以上前に、断ち切りました。
読むに耐えないし、自分の考えを邪魔する、
そう考えたからです。

情報源として役立つ?
そんな情報の99%が私が生きて行く上に邪魔になるだけ。
一々そんな選別をあらかじめできないから、
そんな邪魔な情報を一旦は呑み込まなければならない。
ごめんです。

情報は自分から求めるものだけで、私には十分。
この世を統べる王者じゃないのですから、
なべての民の動静、願いを知る必要もない。
社会の動きを正確に把握しておく必要もない。
私の人生を実り豊かにしてくれる情報だけを求めたい。

でも、子供の頃、どこかで読んだことがあります。
人間って、字が書いてあるものにぶつかると、
どうしても読んでしまう。
そして、その意味を考えてしまう。
時には、それが意外に人生に役立つことがある。
確かに。
でも、役立たない、邪魔になることだって読んでしまいます。
やっかいな癖ですね。

どんなところにどんな形を見ても、それはなにかと考え、
どこかに顔らしきものを感知したら、気をつける。
字を見たら、読んでみる。
これらすべてが人間の生存本能の働きなのでしょう。

我が家に新聞がないわけではありません。
不要物処理の包み紙に役立つので、子供たちが持参してくれます。
偶然、そのひとかけらが目に入りました。
朝日新聞の「折々のことば」
石川竜一さんという沖縄の写真家を採り上げていました。
今活発に写真展活動を展開している若手のホープなのだそうです。

    「伝えたい気持ちはたくさんあっても
    言いたいことなんて一つもないから
    写真を送りたくなる」

    「写真を成り立たせているものは何か。
    それを沖縄で問い続けてきた若き写真家は、
    『何らかの刺激に反応して行くことで、
    世界と僕自身のバランスのとれたポイントに
    印をつけていく」と言う。

    それは自分の思惑を超えた社会を切り取ることでもあると」
    この人の個展の表題ももちろん共通しています、
    「考えたときには、もう目の前にない」

これは、とっても素敵な女性が前を通りかかり、
「ああ、声をかけてみたいな」なんて思いつつためらっていると、
すっと停車したタクシーに乗って去ってしまった、
というような状況を言っているわけではないでしょうね。

ふっと気にかかるようななにかに出会ったとき、
これはなんだろうか、どう撮ろうか、
撮って意味があるんだろうか、なんて思案していると、
もうそのなにかは眼前から消え去っている、
そんな状況を考えているのかも知れません。

もの、場所、状況が私も包み込んで、
ある曰く言いがたい現象を眼前に浮かび上がらせる、
そんなことがあります。

ストリートフォトを撮って来た人なら、誰もが経験しているはず。
一瞬なのです。
その瞬間にさっと反応して、とにかく撮る。
何も考えないで、なにも作画しないで、そのまま撮る。
そんなレスポンスで応答しないかぎり、永遠に消えてしまう、
そんな一瞬の燃え上がり現象。

石川さんはそんなカルティエ=ブレッソン反応にすべてを賭ける、
だけど、それは、あくまでも、個人的行為ではなく、
「世界と僕自身のバランスのとれたポイントに印をつける」
社会的行為なのだ、と言いたいようです。
なかなか切れ味の良いコンセプトです。

グーグルで検索してみると、写真家のポートレートが沢山。
なかなかに切れ味の良い風貌。
中判デジタルカメラで切り取ったショットが数枚。
ぐいぐいと迫って来る作品にはかなり迫力があります。
森山大道、荒木経惟のような肉食系路線の延長にあるようで、
私の好きなタイプの写真ではありません。
でも、あれこれ細工をせずに、
瞬間的反応によって作品作りをする写真家として、好感が持てます。
実り豊かな将来を期待したいものです。





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by hologon158 | 2016-07-08 13:19 | ホロゴン外傳 | Comments(0)