わが友ホロゴン・わが夢タンバール

646.12 ホロゴン外傅167「2016年5月18日スピードパンクロが下町十三にぞっこん」12-完-呆然


写真家石川竜一さんが「自分の思惑を超えた社会を切り取ること」
と書いていることで分かるように、
写真家は写真を人々に向かって展示することで、
なにかを伝えなければならないという、
まさに業を背負っていますね。

アマチュアの皆さんは、我も我もと写真家を目指されるわけですが、
このあたりの辛さをお分かりなのでしょうか?
写真展、写真集に仕上げられた成果だけを見て、
自分もやってみたい、という程度の動機付けなんじゃないでしょうか?
でも、人に向かって表現したい自分を本当に持っているのでしょうか?

昔、写真史にその名を残すだろうと思われる業績を既にあげた写真家の
写真家養成塾にオブザーバーとして参加したことがあります。
なにも写真家になりたかったからではなく、
自分の写真になにかを付け加えてくれるものが得られるかも知れない、
と期待して。

ハッセルのモノクロームによる独自の民話風ドキュメンタリーを撮っていた
写真家の現在の写真群も拝見できました。
呆然としました。
完全なボケ写真たち。
その影響下にあるらしく、塾生の多くも完全なボケボケ写真の山。

先生、それを右に左にすいすいと分類していかれます。
またもや呆然。
どちらが選択されたのか、まったく分からない。
どちらも同じようなボケ写真群。
なぜ右に置くのか、左に置くのは説明はいっさいなし。
論評もなし。
最後に、片方の山を生徒さんの方にぐっと押し出して、
「これで行きましょう」

これで、いったいどこへ行くの?
そう言いたくなるほど、困惑しました。

くしゃっとくすんだ老人の写真群が卓上いっぱいに並びました。
ぼけ写真じゃないんだけど、猥雑で無意味としか思えない駄写真ばかり。
随所に猥褻としか言いようのないショットが混じります。
これらもちっとも美しくない。
雑然として、ただ素人がぽんと撮っただけの卑猥な光景。
先生、舌なめずりされて、
「わたしはこの人の写真展をメトロポリタンで観たいんですよ」
私の感想、
「どこでも観たくない!
どこでもそんな写真展やってほしくない!」
私も長い間にかなりの数の写真家たちにお話を聞きましたが、
この発言くらい荒唐無稽な言葉はないと思えるほどでした。

たしか5人ばかりの友人と一緒に参加したのですが、
そのうち2名はあきれ果てて早々に退場していました。
残りの内私ともう1人は後で語り合いました、
「この先生、今、かなり病んでいる状態らしい」

最後の1名の青年は驚くべき反応を示しました、
「すばらしい、感動しました!」
それから1年ほどして、この青年、鬱病で休職してしまいました。

この体験から私が学んだことは2つでした。
①写真家でなくても、
写真は撮影者の内奥をゆくりなくも映し出す危険性があること。
②生徒たちに自分と同じ傾向の写真を撮る方向に指導する先生につくことは
きわめて危険であること。

この先生の生徒たち、わざととんでもなく歪んだ写真、
ピントをずらして、動かしながら、スローシャッターを切るボケ写真、
なんの意味もない光景のわざと汚くした写真等を必死で撮っているようでした。
この先生以外のどんな写真家に見せても、
また写真展にして写真好きの人たちに見せても、
まさに瞬殺されてしまうような写真たちなのに、それが分からない。
完全な呪縛の下に囚われている。

今でもそんな写真たちを撮り続けているのでしょうか?





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by hologon158 | 2016-07-08 17:32 | ホロゴン外傳 | Comments(2)
Commented by korekazu at 2016-07-08 17:38
「写真」は図らずも撮影者の内面をも写すのは全くその通りだと思います。
hologonさんの撮られる作品も言葉では表現できませんが、一貫したものがありそれがそのままhologonの心象をそのまま表しているように感じます。
Commented by hologon158 at 2016-07-09 10:20
korekazuさん
ありがとうございます。
確かに自分の心象をそのまま写真に写し取りたいというのは、
私の第一の願いです。
写真は私の心の日記なのですから。
でも、難しいですねえ。
5年経って、10年経って、ブログを見返したとき、
その瞬間の自分に戻れたらいいですねえ。