わが友ホロゴン・わが夢タンバール

657.04 ホロゴン外傅174「2016年9月7日ウルトラワイドペラール奈良町初見参!」4 大物狙い


写真の撮り方は多種多様、人それぞれですね。

   定点観測
   大物狙い
   一点至上主義
   作品がすべて
   初めにコンセプトありき
   行きあたり、ばったり
   ところ嫌わず

大判カメラ使用者には大物狙いが多いようですね。
ばりばり撮ってたら、お金がいくらあっても足りない、
ほどではないでしょうけど、
大判ポジでゴミみたいな写真を眺めるときの味気なさに
耐えられる方も少ないでしょう。

シートン動物記に「峰の大将クラッグ」という名作があります。
中学1年生のときに読みました。
余談ですが、ここで思いだしました。
全然美しくないのに、立ち居振る舞い、心映えが万事華麗なので、
颯爽として、どこに居ても「はきだめの鶴」に見える、
同級生の女性がいました。
彼女はスタンダールの「赤と黒」を新潮文庫で読んでいました。
私はシートン動物記です。
かなり遅れていたようです。
だからと言って、無理をして「赤と黒」を読む、
なんてかわいいところがないのが私です。
人がやるから、自分もする、ということは子供の頃からしません。
むしろ人がやることはしたくない。
でも、子供の頃やりたいと思ったことは、
大人になってもやりたいものです。
今でも「大草原の少女」とか「飛ぶ教室」を読んでいます。
つまり、全然成長しなかった!

「峰の大将クラッグ」に戻りましょう。
かなり前に書かれたヘミングウェイの名作、
「老人と海」に影響を受けているかも知れません。
作品を構成する本質的ファクターがほとんど共通しています。
「老人と海」の山岳版という感じ。
漁師が一頭の鹿を殺して丸ごと薫製にして、
毛布に包んで、馬の背にしばりつけて、出かけます。
日頃狙っていた大角ヒツジの超大物をしとめる決意を固めて。
首尾よく発見して、一発命中させます。
でも、クラッグは負傷もものともせず逃走します。
漁師は辛抱強くどこまでもどこまでも、
わざと姿を見せるようにして追跡します。
クラッグはどこまでも逃げ続けます。
でも、食事ができないので、次第に飢餓でやせ衰え、
彼の誇りであった巨大な角の重みがずっしりとのしかかってきます。
でも、逃げ続けます。
漁師は薫製肉を頼りに、でも、こちらもよろよろと追い続け、
ついに我慢比べに勝って、しとめるのです。

この本を狩人の立場に立って見る人も居れば、
クラッグの立場に立ってみる人も居るでっしょう。
私は常に弱者、少数者に共感して生きてきました。
だから、この本を2度と読む気にはなれませんでした。
でも、クラッグのことが忘れられない。
義経や龍馬と同じ境涯だからでしょう。

でも、大物狙いの写真家にはかなり参考になる文学です。

   正しい準備
   正しい予測
   辛抱強い待機
   貫徹する意志力
   みんな共通しています。

この狩人に近い撮り方をした人にアンセル・アダムズが居ます。
屋根に撮影用のプラットホームを付けたサファリカーを駆って、
至高の景観を求めて、無人の大地を幾日も駆け続けました。
「セントウィリアムソン山」の超巨大画像をご覧になったことがありますか?
私は見ました。
京セラの稲森さんが購入して、
京都現代美術館に寄贈したギルバートコレクションに、
至高のオリジナルプリントがあります。
神様が生き物を創造しようとした瞬間、
こんな無人の光景を前にしていたんじゃないか?
そんな感じさえします。
大物狙いの写真家たちなら、
羨望と憧れの気持ちいっぱいにただ呆然と眺め続けるしかない、
そんな至高の名作です。

でも、そんな光景に出会うために、
どれだけの心と時間を使うのでしょう?
私は最初の最初から「行きあたり、ばったり、ところ嫌わず」組。
どんな風にかは決まっていない、
とにかく「いいっ!」、そう心にビビッと来たら、
シャッターを押して、どんな風に撮れたかを
モノクロプリントに引き伸ばして眺めるのが喜びでした。
視覚の遊び、認識力テストのようなものです。
ネガカラーになっても、デジタル写真になっても、変わりません。
私の2つのブログに並んでいる写真は全部この種の写真です。
コンセプトと撮影意図も意味もなにもありません。
シーザーの名言「ヴィニ ヴィディ ヴィキ」にならって、
「来た 見た 撮った」、ただそれだけ。
シーザーの通信文には強烈な自負と誇示があります。
私のは、ひたすらシンプルな事実報告。
写真家はほとんど私のブログに来ないのも無理がありません。
写真が意味不明なのには、いらだつし、
枚数をいちいち書くのも、彼らには不可解、不愉快でしょう。
「写真は数じゃない!」
私は、
「写真は数だよ。出会いの数なんだから」
犬が西向きゃ、尾は東。
ま、自分で「尾」と分かっているのがおかしいですね。
分を知っている人間なのです、私は。




c0168172_23243846.jpg
c0168172_23243024.jpg
c0168172_23242355.jpg
c0168172_23241793.jpg
c0168172_232499.jpg
c0168172_2324324.jpg
c0168172_23235730.jpg
c0168172_23235080.jpg
c0168172_23234292.jpg
c0168172_23233467.jpg
c0168172_23232781.jpg
c0168172_23231997.jpg
c0168172_23231392.jpg
c0168172_2323710.jpg
c0168172_2323133.jpg
c0168172_23225437.jpg
c0168172_23224783.jpg
c0168172_23224058.jpg
c0168172_23223441.jpg
c0168172_23222539.jpg
c0168172_232299.jpg
c0168172_2322338.jpg
c0168172_23215524.jpg
c0168172_23214930.jpg
c0168172_23214111.jpg
c0168172_23213443.jpg
c0168172_23212171.jpg
c0168172_23211566.jpg
c0168172_2321941.jpg
c0168172_23205875.jpg
c0168172_23205176.jpg
c0168172_23204337.jpg
c0168172_23203620.jpg
c0168172_23202868.jpg

by hologon158 | 2016-09-12 23:56 | ホロゴン外傳 | Comments(0)