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660.05 ホロゴンデイ167「2016年8月24日ホロゴン的鶴橋を楽しんだ」5 ヴィヴィアン・マイヤー


ヴィヴィアン・マイヤーがなぜ写真を外部に発表しなかったんだろう?
と、疑問を抱く方は沢山おいでになるでしょう。
でも、私は不思議とは思いません。
彼女は、発表する気持ちになどならなかったのです。

彼女は1926年2月1日生まれ、2009年4月21日、83歳で没。
彼女のメインカメラがローライ2眼レフと
ライカのバルナックタイプであることで、
かなり若い頃から写真を始めていたことが分かります。
つまり、実はストリートフォトの創始者の一人なのです。
約40年間写真を撮っていたと言われています。
でも、彼女が写真を撮っていた時代には、
ストリートフォトを撮る写真家などほとんどいませんでした。
もちろん1930年代からカルティエ=ブレッソンは名声を博していました。
でも、その名声が、一般人にまで及んでいたとは思いませんね。
そのうえ、カルティエ=ブレッソンのストリートフォトは、
かなり芸術性の高い視点から撮られていました。
なにげない日常の記録ではありませんでした。
ヴィヴィアン・マイヤーはむしろロバート・フランク、クライン、
そして、現代の森山大道などに見られるような、
極めてプライベートな体験記録的な色彩の強い写真でした。

周辺の人に見せても、誰も優れた写真作品だとは言わなかったでしょう。
せいぜいこんな反応だったでしょう、
「なんでこんなものを撮ってるの?
もっときれいなものがいっぱいあるでしょ?」
今でも、私の写真はほとんど誰にもアピールしないのですから、
写真界とは無縁だったヴィヴィアン・マイヤーが、
写真を広く発表しようとしなかったのも当然だったでしょう。
自分自身、写真家の写真作品を自分が創造しつつあるなんて、
夢にも思わなかったのかも知れません。

でも、彼女は写真が大好きでした。
その理由は、私にはよく分かります。
自分の出会った印象的な人たち、印象的なシーン、
ちょっとした目の喜び、発見を写真にすることに、
スリリングな興奮を感じながら、生活していたのです。
カメラがあるからこそ、人生に退屈しない!
ああ、ここにもこんな人が生きてるんだ、
私も元気で生きていこう!
写真を撮ることは、彼女にとって、人生そのものだったのです。

同様の人生を送っている人間を、私は少なくとも三人知っています。
新潟のyoshiさんと「Visitors」のAyuさんと、私。
yoshiさんは盛んに写真家活動をしておいでになるので、
ちょっと違うんじゃないか、という異論も出るでしょうけど、
彼の写真の本質は人生の記録としての写真にある、
私はそう感じています。
彼の写真展活動は彼のあふれるような創造力のほとばしりの現れであり、
人生の豊かな彩りの役割も写真に担わせたいという遊び心にある、
私はそう感じています。
結果よりも写真展制作の活動に喜びを感じている、
そんな感じ。
Ayuさんもまったく同様です。
私は、完全にヴィヴィアン・マイヤー派です。
違うのは、彼女は知らず知らずに現代の写真の潮流の波頭に躍り出ていたけど、
私はずっと底辺で楽しんでいる、ということ。
どちらも、「我関せず」「そんなこと、どうでもいい」です。

でも、ヴィヴィアン・マイヤーの写真は15万枚も残っているのだそうです。
12枚撮りのブローニータイプばかりじゃありませんが、
一応ブローニーで試算してみると、12500本!
40年撮り続けたとすると、一年間に312本。
ほぼl日に1本撮っていたわけです。
みみっちい話ですが、注ぎ込んだお金も半端じゃありませんね。
まさに写真人生だったのです。

ちなみに、私の写真人生も丁度40年です。
最初の12年間に撮ったのは、モノクロームばかり、
35㎜3000本、ブローニー600本でした。
全部ブローニーと一応仮想しますと、40年で12000本。
なんだか似ている。
もっとも私の場合は35㎜が大半だし、
今では、撮影枚数はさらに飛躍しているので、
実際には写真枚数としては彼女より多いのですが、
それにしても、かなり親近感が感じられます。
(完全な我田引水論理ですね)




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by hologon158 | 2016-10-06 23:52 | ホロゴンデイ | Comments(2)
Commented by yoshipass at 2016-10-07 01:52
「我田引水論理」賛成です!
ちょうど今日の「プリントを作る」というアップの最後に「でも面白い」と書いたところでした。
Commented by hologon158 at 2016-10-09 21:21
yoshiさん
我々の写真観はこのあたりでは完全に一致しています。
yoshiさんの作品群を拝見していると、ときどき、
自分がその場にいるように感じてしまいます。
それにしても、ますますエネルギッシュですねえ。
絶対に調子を落とされないのには、ほとほと敬服しています。