わが友ホロゴン・わが夢タンバール

663.06 ホロゴン外傅179「2016年9月1日下町通天閣ならビオゴンに任せる」6 「シベリア物語」



訳あって、ロシア映画を観ました。
「シベリア物語」
一人の音楽家の挫折と復活と愛の物語。
でも、この映画にはもう一人の主人公が居ます。
シベリア
凍土ツンドラと吹雪と酷寒の大地。
そのものすごさは別宇宙ではないかと思えるほど。
こう書くと、なんだか寒々とした映画なんだろうな?
そうお思いの方も多いでしょう。
ところが、どっこい、まるで正反対。
これほどに最初から最後までエネルギーが噴出する映画は初めて、
そう言いたくなるほどに、猛烈なエネルギーの噴火。

2頭だて、御者1人、客が背中合わせ4人掛けの馬ぞりが
吹雪の中を突っ走るシーンが象徴的でした。
道は文字通りデコボコで、その上を飛び跳ねるようにして、
馬橇がまるで炎のような勢いで全力疾走していくのです。
客は大きな荷物を抱えて、クッションもなく、
地べたの衝撃を全部受け止めながら、横向きに引きずられていく。
私たちなら絶対に15分と持たないでしょう。

映画は恋愛物語でもあり、ソ連のシベリア開発讃歌でもあります。
自然を人工物に変えていくという20世紀のコンセプトが、
地球の自然を破壊し、生物を滅ぼしていった結果、
21世紀がその利子を払わなければならない運命のサイクルに陥ったのですが、
そのことはひとまず置いて、
ロシア人たちのほとばしるようなエネルギーと人間讃歌のシャワーを浴びることで、
一つの浄化体験となってくれました。

ロシアの民衆の爆発的エネルギーは、エイゼンシュタイン監督の「イワン雷帝」や
「アレクサンドル・ネフスキー」でも爆発していました。
この爆発感を再現しようとしたのが、黒沢明の「七人の侍」。
でも、日本人の民衆の力を担う百姓たちには、
どうしても悲哀と苦労と卑屈の気配が漂ってしまい、
爆発的なエネルギーというところまで届かず、
むしろ歴戦の勇士たちの知謀と指導力に裏付けられた采配が
野武士の集団を見事に殲滅してしまったという印象が残ってしまいました。

ロシアの民衆の場合、コントロール不能なまでに爆発できる、そんな印象。
ほんとにこんな風にうまく行くのかな、という印象は残しつつも、
実に爽快な気分で観終わりました。
ロシアで2番目のカラー映画なのだそうです。
一見の価値がありますよ。





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by hologon158 | 2016-11-07 22:34 | ホロゴン外傳 | Comments(0)