わが友ホロゴン・わが夢タンバール

670.02 ホロゴンデイ168「2016年10月18日三重関宿にホロゴン見参!」2 洞窟の記号


すでに、ギョベクリ・テペのことを書きました。
紀元前1万1000年前後、
つまり、人類の文明誕生と思われてきた時代よりも数千年前に、
人類は画期的な神殿を建造するだけの思考力、実行力を持っていたことが
明らかになってきました。

つまり、数千年前、農耕が始まり、人類が定住して、
その後にようやく文明が始まった、
そう私たちは考えていたのですが、
それはただの学者の思いこみにすぎず、
人類は、農耕が始まる何千年も前に宗教や大規模土木を含む、
れっきとした文明的活動を始めていたことが明らかになったのです。

先日、人類はさらに何万年もさかのぼって、
現代人にさほど変わりない思考、行動を行っていたことを証明する事実が
明らかになってきたようです。
ジェネビーブ・ボン・ペッツィンガーさんによる研究が
そのような事実を明るみに出したのです。

「最古の文字なのか?」(文藝春秋)

まだ大学院の学生さんなのに、
すでにれっきとした文化人類学の権威になっているようです。
彼女はヨーロッパを中心とする世界中の
4万年ほど前から1万年前頃までの洞窟絵を探査し、
データベースを作って、その成果をじっくりと照らしあわせたのです。
洞窟絵は、アルタミラのような動物絵にこれまで焦点が当てられてきたのですが、
それよりも遙かに大量の、具象画ではない、模様を照査して、
それらの模様はいわばでたらめに書き付けられてきたのではなく、
わずか32の形に整理されてしまうことを明らかにしたのです。

ボン・ペッツィンガーさんは、まったく違う時代の、
まったくかけ離れた地域でこうした形だけが書かれてきたということは、
つまり、人類は、これらの形をなんらかの記号として伝承し、継承して、
使ってきたと考えるのです。
そのようなことが起こるためには、
発祥の地であるアフリカでそのような記号が始まったはず、
だから、将来、アフリカに洞窟絵が見つかる可能性がある、
そう考えています。
つまり、人類は数万年前から、
記号、シンボルを使うほどの頭脳を備えていたということになります。

私も子供の頃アルタミラの洞窟絵を見て、
そのあまりのリアリティ、描写能力に驚き、
考えたことを思い出しました。
丁度ギョベクリ・テペの神殿建築の時期に重なります。
この人たちって、今の人類とぜんぜん変わらないんじゃないの?
よく考えたら、そんなことは当たり前なのです。

洞窟に入ったことがありますか?
私は幾度かあります。
沖永良部島の鍾乳洞。
新婚旅行でした。
誰もいないけど、入り口が空いていていました。
電気が煌煌とついていましたので、入ってみました。
中で管理人らしい青年とすれ違いました。それから10分ほどして、
電気を消されてしまったのです。
暗闇に浮かび上がった私の妻があんまり美しいので、
意地悪をされてしまった、そう私は考えています。
2、3分後には点灯したのですが、
それまでの間の洞窟の闇は、たとえようもなく暗黒であることを
いやと言うほど思い知らされたことを記憶しています。

数万年前の人類はそんな真の闇の中に絵を描こうなんて、
どうして思いついたのでしょう。
絵を描くためには、さまざまな計画立案と準備が必要です。
絵の具を用意して、持ち込んだのです。
ということは、照明道具も準備でき、
どんな絵を描くのか、あらかじめ考案、構想する能力もあったのです。
いきあたりばったりでは絶対にできない作業なのですから。
既に人類は企画立案実行の能力を持っていたことのです。
この点も、ギョベクリ・テペの建築に携わった人たちに似ています。

そうして、ボン・ペッツィンガーさんは、
当時の人類は記号も考案し記憶し、使うことができ、
その絵を見る人もその記号を正しく理解できたと主張するのです。
この記号たちだけを使っていたことから浮かび上がる事実がもう1つ。
当時の人たちは、洞窟にただいたずら書きをしていた、
ただの思いつきで絵を描いていた、わけではなかったこと。
それも、洞窟絵の最初の頃から最後の頃まで、一貫していたこと。
実は、縄文土器の時代も数千年重なっています。
縄文人も、めったやたら、好き勝手に土器を作っていたわけではない!

実に奇妙です。
これまで明らかになった定説上の文明時代においては、
なんらかの行動様式、芸術様式がそんなに長期にわたって
かつ広範囲に保存されていたことなどありません。
保存のための道具、媒体、実行力、思想上の基盤形成等では、
いわゆる文明時代の人間たちの方がもっと有利なのに、
ほとんどなにもかも長続きをしない。
文明そのものが、中国を除けば、永続した試しがないのですから、
当然かも知れません。
でも、何千年も文明が続いた中国においても、
文明自体が均質に永続したわけではありませんし、
その文化、生活のさまざまな場面で、
洞窟画、縄文土器のように長続きしたものは何も見つからない、
そう言っても過言ではありません。

ただし、ボン・ペッツィンガーさんも、
そうやって特定の形がなにを意味していたのか、
解明できたわけでありませんし、
その形状、描き方からしても、
複雑な思想、情報を伝達するためのものと見るのは、
かなり困難。
でも、そうした特定の記号と洞窟に絵を描く習慣は、
何万年も継続して保存されたらしい。

将来この謎が解明されるかどうか、
私としても、ちょっと期待しがたいものを感じますが、
その一方では、心から讃嘆させられてしまいます。
我々の祖先たち、長い間、洞窟の中で頑張ってたんだなあ!
もしかすると、彼らもまた永遠を、憧れを知っていたのかな!





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by hologon158 | 2016-12-12 23:58 | ホロゴンデイ | Comments(0)