わが友ホロゴン・わが夢タンバール

678.02 ホロゴンデイ193「2016年12月15日ホロゴンが写真展を見て」2 音楽に傾斜

近頃、写真よりも音楽の方に傾斜していると書きました。
なぜなんだろう?
考えてみました。
どうやら、私の生活への浸透の状態が強まったらしい、
という感じがします。

以前は、コンサートとオーディオを媒体として、
音楽に接していました。
ある意味で、音楽は、日常を超えた非常の体験でした。

今でも、コンサートには参りますし、
リビングルームにはオーディオセットもあります。
でも、コンサートは年に数回だし、
真空管アンプをオンする機会もまれになりました。
音楽の媒体はウォークマンとYouTubeが主体となってしまったのです。
非常の体験から日常の体験に変わってしまいました。

心構えを決めて体験するものではなくて、
音楽のシャワーを浴びつつ生活しているようなものです。

学生の頃から、音楽は人生に不可欠、
心と精神を奮い立たせてくれるスペシャルな体験でした。
でも、今は、音楽を呼吸している、というスタンス。
人生への密着度が格段にあがった感じがします。
YouTubeとウォークマンはそれぞれ別の角度から、
でも、同じ質の音楽を私の中にそそぎ入れてくれるようです。

とくに、YouTubeの登場は私には革命的。
YouTube以前は、音楽家たちは遠い存在でした。
偉大な音楽家たちが来日することは稀です。
そんな稀な音楽家たちのコンサートは、
稀に今でも記憶に残っているものがあったり、
完全に忘れ去ったり。
ところが、YouTubeの登場により、
過去現在の大音楽家たちの演奏ビデオで自在に検索できるようになりました。
ああ、マリア・カラスって、こんなに凄い変身を遂げながら歌ったんだ、
ああ、ボリス・クリストフは本当にボリス・ゴドゥノフに変身したんだなあ、
ああ、キリ・テ・カナワって、なんて軽々と最高音に跳ね上がるんだろう、
並の歌手ならその瞬間ものすごい決死の形相に変わるのに、
なんにも表情を変えないまま、なんて美しいんだろう。
マルタ・アルゲリッチがショパン・コンクールで見せた初々しい表情って、
なんて魅力的なんだろう......
音楽家たちが私の心の中にずんずんと入り込んでくる思い。

そして、ウォークマン(長い間iPodでしたが)も革命的でした。
どんな場所に居ても、移動中でも、音楽を私に流し込んでくれます。
電車の中でも、眼を閉じさえすれば、音楽の殿堂に私を運んでくれます。

そんな風に「ながら族」になるのは、邪道だと、嫌う方もおいでのようです。
音楽は、人間の心を根底から揺さぶり、人間を変える芸術体験なんだ!
まさにその通りです。
私もそんな体験を幾度もしてきました。
でも、根底から揺さぶってもらうのはたまがいいですね。
あんまりどんどん自分を変えてほしくないですね。
音楽には、もう一つ、心を平安にし、幸せにし、
精神を安定させてくれる効果もあります。
ウォークマンはそんな効果を常に発揮してくれるのです。

人間って、わがままなものです。
精神状態はどんどん変わります。
その状態に応じて、音楽は効果を上げたり、逆に私の心を不安定にしたり。
サッカーチームや野球チームがあらゆる状況に対応できるように、
多彩な才能を準備するように、
私もウォークマンに何百枚ものCDを読み込んであります。
フルトヴェングラーやクナッパーツブッシュがいるかと思えば、
山口百恵さんも桂銀淑さんも居ます。

いつも書きますように、三種の神器があれば、私は無敵。
その三種の神器とは、
ホロゴンとウォークマンとPomera。
この三種の神器さえあれば、私は心安らかに人生を楽しめます。

現代の電子機器の開発進歩に一番大きな恩恵を被っている人間、
私はそう感じています。
以前、私はバッグの底に常に
本を忍ばせていました。
暇さえあれば、読んでいました。
学生時代は、資格試験の勉強中も、一日一冊のペースでした。
今は一週間に一冊のペース。
読むよりは、Pomeraでバンバン書く方が楽しいし、
人生にとって大切、と言う風に本気で思っています。
音楽も、聴くのもよいけど、
自分で楽器と慣れ親しんでいくプロセスの方がずっと大切、
そんな風に思うようになったのですから、
人間って、変わるものですね。

でも、変わらないことがいくつもあります。
たとえば、自分自身への愛、
妻と家族(我が家では猫を含む)への愛、
我が風土への愛、
そして、私の場合、
音楽、美術がつかみとる美への愛
写真への愛、
ホロゴン、パンタッカー50mmF2.3のような至上のレンズたちへの愛、
揚琴とリコーダーへの愛、
そんなものが私という人間の強固な核を作っているわけです。

私が嫌うこと、憎むものもたくさんあります。
こちらは書かないでおきましょう。
でも、これらから身を遠ざけているのも、また私。
そんな愛憎とその周辺の曖昧もことした総体が私、というわけです。
音楽って、そんな私の総体をやさしく包んで、
しっかりと守る鞘のような力を持っている、
そんな感じがしています。

この世に美しい音楽、美しい芸術があるから、
私たちはこの世の荒波に抗して生きていける、
そうではないでしょうか?





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by hologon158 | 2017-02-25 23:37 | ホロゴンデイ | Comments(0)