わが友ホロゴン・わが夢タンバール

690.05 ホロゴン外傅200「2017年5月12日プロター枚方穂谷でリゾート気分」5 志村ふくみさん



先日来、志村ふくみさんの言葉に魅せられています。
私が志村ふくみさんを知ったのは、pretty-bacchusさんのブログで。
私が毎日訪問しはじめたのは2008年8月ブログ参入後なので、
12年という長年月にわたるブログの途中から読み始めたわけですが、
pretty-bacchusさんは志村さんに師事された顛末は、
並ぶものなきブログのクライマックスの一つだった感じがします。

それでも、私は志村さんのお仕事とはまったく無縁の人生。
読み終わった後は、縁もないまま2017年に至ったわけです。
でも、縁というものは不思議なものですね。
縁があると、縁の方でなんとか結び目を見つけてくれるようです。
次のような顛末で。

夏頃から、偶然なことで、図書館に通い始めたのです。
そして、数回通って、突然、入り口付近の小さな棚が、
朗読CDの棚であることに気づきました。

私は、英語の古典の朗読ファイルをAudible.comから購入してきました。
数十を超えるでしょう。
英米の朗読家たちの凄みは、こうした朗読ファイルに親しまないと、
分からないでしょう。
古典小説の多くは、ディケンズのような数十人は例外としても、
かなり沢山のキャラクターが登場して、交錯します。
朗読者は瞬時にキャラクターそのものに成りきれるのです。

そのようば離れ業を幾人も体験してしまうと、
日本語の朗読にも同様のパフォーマンスを求めてしまいます。
新潮社等からかなり沢山の日本文学の朗読CDが発売されています。
20アイテムばかり買いあさりました。
でも、数人の例外を除くと、
日本の朗読者のパフォーマンスは落第がほとんど。
お金を損したような気分で遠ざかっていました。

でも、図書館で、池波正太郎のCDを沢山見つけてしまったのです。
私、池波正太郎が大好きなのです。
幸運なことに、小森彰さん、かなり達者!
気に入りました。
かくして、朗読CDを求めての図書館通いが続くようになったのです。

そうして、2、3回目に見つけてしまったのです。
志村ふくみさんのエッセイ「一色一生」
人間国宝にして文化勲章も授章された染織家の初期の随筆のようです。
もちろんダイジェストですが、小川道子さんの朗読が素敵です。
ご本人が語りかけて来るような味わいがあります。

そして、知りました、
志村ふくみさんは現代の清少納言なんだ!
リズムのある達意の文章にはうっとりさせられます。
私のような短文をぶつ切りに重ねるのではありません。
言葉、文章を紬織りのように織り重ねていかれるのです。

さっそく、原本を買い求めました、
志村ふくみ「一色一生」(求龍堂)
「天は二物を与えず」と言います。
でも、これはあまり正確ではありまえせんね。
むしろ大抵の場合、「天は一物も与えず」ですから。

でも、天は志村ふくみには二物どころか三物も四物も与えられた、
そんな感じがします。
お天道様は、明らかに不公平ですね。

天が志村さんに与えられた才能の一つが、色彩感覚。
志村さんが現実に色をどんな風に感じておられるのか、
その感覚のない人間には絶対に分かりません。
想像もつきません。
でも、志村さんの文章を通じて、影絵を見るようにして、
志村さんがこの世界を彩る色を感じておられるのか、
それがぼんやりと分かる感じがします。
それだけで、もう驚きで満たされます。
ああ、こんなに繊細にかつ豊かに色を感じる人がいるんだなあ!




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by hologon158 | 2017-05-29 22:25 | ホロゴン外傳 | Comments(2)
Commented by pretty-bacchus at 2017-05-29 23:13
こんばんは、ホロゴンさんがふくみ先生の世界をかいまみられてとってもとても嬉しく思います。
パリの駐在から帰って四十数年前のことでした、ふくみ先生とお目にかかったのは。
その後のことはいろいろブログに書いていますが、母とも姉とも慕って参りましたが、一昨年からお目にかかれていないのです。
ころころときれいな声でお笑いになる童女のような九十四歳の先生は、今ご病気のようで、とても気になっているのですが、どこかでブロックされていてお話もできないでいます。
お人柄に惹かれお作品に魅せられて、そのお作品を身にまとい、結局その世界の一端を経験したくなり、アルスシムラの授業の毎週東京から通ってしまいました。
ほんとうにすごい方です。可愛がっていただいて本当に幸せです。
Commented by hologon158 at 2017-05-31 12:04
pretty-bacchusさん
私はまだ「一色一生」一冊ですが、本当に驚きました。
一行ごとに繊細で深い感性が感じられ、
清少納言の新鮮さ、瑞々しさに満ちた表現に通じるように思われました。
そんな先生がpretty-bacchusさんと親しく接してこられたのも、
ご自身と相通じる感性をお感じになったからでしょう。
それだけに、ご心配でしょう。
次第に重なる栄誉と日頃の生活とのギャップが広がり続ける中、
文化勲章受章が最大の重荷となってのしかかり、
お仕事に専心する人生から遠ざけられるという、
堪え難い状態になってしまわれて、
今はすべての公的な交渉を絶って、
新たな創造への道を静かに歩んでおられるのであればよいのですが.......