775.01 ホロゴン外傳254(2019年2月9日マクロスイター50㎜F1.8が天満橋筋を妖精のごとく)1 真実よりも
写真は両義的な媒体である、
そう言ってもよいかも知れません。
Photograpy(光の絵)を「写真」と訳したのは、
おそらくジャーナリストだったのではないでしょうか?
写真は最初の最初から、真実を写し出すものではありませんでした。
それは、19世紀の新しいロマンチシズムの媒体であった、
そう言った方が正確ではないかと思います。
だから、人類最初のポートレート写真家の一人、
マーガレット・キャメロンの肖像写真は、
レンズ、写真という最新の媒体によって、
ファンタジーを創造するものでした。
リアリズムを追求するものではなかったのです。
つまり、真実よりも美を表現しようとしたのです。
私が大学に入って、親友と二人で塾を始めて、
その収入で最初に買ったのはカメラでした。
ミノルタSR-1とレンズ2本、50㎜と35㎜。
随分気に入って、かなり使ったと思います。
もちろんモノクロームの時代でした。
でも、就職と同時に結婚したとき、
妻が持参したカメラは35㎜カメラではありませんでした。
ミノルタの六×四・五判のブローニー。
妻は、私の自慢のカメラセットを尻目に、
自信たっぷりに、「このカメラの方がずっときれいに撮れるよ」
ついているレンズはChihoko75㎜F4.5だったと覚えています。
そのセミ版の写真を見て、文字通り仰天してしまいました。
夢とファンタジーに満ちたイメージが浮かび上がっていました。
このときから、私は変わりました。
「真実よりも美」
これが私の写真理想となってしまったのです。
先日、久しぶりに大阪の天満橋筋商店街を撮影しました。
何十回と訪れた街です。
日本一と呼ばれる大アーケード街。
1年以上ご無沙汰してたせいで、びっくりしてしまいました。
以前はかなり静かな商店街でしたが、
打って変わって、外国人観光客で溢れていました。
ホロゴンやスーパーアンギュロンなら、
超接近スナップを楽しんだでしょう。
でも、私がわざわざ選んでソニーα7に付けて持参したのは、
マクロスイター50㎜F1.8
宮崎貞安さんの名作ゾンネタール50㎜F1.1と並ぶファンタジーレンズ。
なぜ前者を選択したか?
理由など、ありません。
ふっと脳裏を過ぎるのです、
「明日はマクロスイターで撮りたい」
成功でした。
なぜか夢を撮りたい、
そんな気分だったからです。
by hologon158
| 2019-02-14 17:28
| ホロゴン外傳
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