わが友ホロゴン・わが夢タンバール

27.5 ホロゴンデイ8「2008年9月11日大阪梅田ローライ」5 絵馬に託された祈りを撮ってみたいと考えたけど


また、佐伯祐三に戻ります。
私は、油絵のことはまったく不案内なのですが、
たまに佐伯の油絵を見、いにしえのフェルメールや、
テンペラで書いたアンドリュー・ワイエスを考えますと、
画家たちのやってきたことは、こういうことではないかなと感じるのです。
つまり、
画家は、眼前の情景に対して、大きな情動、感動を感じます。
この情動、感動をいかにしてリアルに描き出すか、
正確に表現するか?
これが画家たちが全身全霊を上げて解決しようとした課題だったのでは?
佐伯祐三のパリの絵のもつ力は、
佐伯はその課題を、一枚一枚の絵の中で自分なりに解こうとして、
かなりの高さでその課題をクリアーしたことを証明しているのではないでしょうか?
たとえば、「郵便配達夫」
佐伯は、老人の白い顎髭を線で描かず、
純白の絵の具の断層による凹凸、立体感で描き出しているのです。
ちょっと遠くに離れると、
この凹凸がこの老人の年輪、落ち着きを見事描き出したように思えます。
そこで、考えるのですが、
佐伯たちがカンバスと筆と絵の具でもってやろうとしてきたことを、
私たちはフィルムとカメラとレンズとでもってやろうとしているのではないでしょうか?
その際、自分の感じている情動、感動を如実に再現してくれると信じて、
一つの情景を前にして、すべてを託することのできるレンズ、
それが問題です。
私は、これをホロゴンに見つけた積もりでがんばっています。
そんな12年の努力の末に、私の心には、
ちょっとした自由を遊んでみようじゃないかという余裕が生じたのかも知れません。
写真家じゃないのですから、
誰かに向かって達成を誇示しなければならないわけでないわけですし、
1個の作品をつくらなければならない責任もない、
とすれば、ホロゴンとは別な方向から、
自分の情動、感動を写真にしてみてもよいのでは?
そう考えるようになったのです。
私が選んだのがプラナー75mmF3.5。
本日の写真はお初天神界隈。
絵馬を撮ってみました。
最短撮影距離に近づき、選んだF5.6だったと記憶しています。
絵馬に託された、独り一人の幸福への祈願の気持ちを、
しっとりと表現してくれたように思います。
こんな自然さがプラナー75mmF3.5の魅力なのかも知れませんね。

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by Hologon158 | 2008-09-16 21:34 | ホロゴンデイ | Comments(0)