わが友ホロゴン・わが夢タンバール

33.3ホロゴン写真展「1998年1月冬のネパール」3 日本人ってかわいそうな存在なのです


ネパールをサバティカルの目的地に選んだのは、
映画「リトル・ブッダ」を観たことから。
キアヌ・リーブスが若き日の仏陀を演じたのですが、
その少年シッダールタの育つ都の光景、
私には地球外のどこかではと思うほどに奇想天外で、しかも見事な様式感。
もう、仰天し、目を奪われました。
後日、この映画はネパールの古都パタンとバドガオンで撮られたと知ったのです。
ネパールと言えば、ほとんどの方はヒマラヤを目指します。
私が目指したのは、カトマンズ、パタン、バドガオン3古都の路地裏。
ふん、変わってるね!
たいていの方は、そんな私の心情を理解できないことでしょう。
でも、構いません。
ヒマラヤの峰を観たのは、バドガオンのホテルの屋上からだけ。
大きなもの、高いものを見たければ、私はいつでも空を見ます。
ヒマラヤよりも神々しく、エベレストよりも高い。
これで十分心が拡がります。
撮りたいのは、路地裏であり、そこで待っていてくれる人、もの、場所。
カトマンズの通勤風景を撮りました。
こんな風に歩いて通勤できるって、幸せですよ。
一歩一歩自分に沈潜しながら職場に向かうのです。
騒音と群衆に心の大半を奪われて通勤している日本人って、
ほんとうにかわいそうな存在なのです。
自分では気づいていないけど。

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      [撮影メモ]
        まだ、フレクトゴン35mmF2.4で撮っていますね。
        これらの写真をごらんになれば、
        まだ当時、私がアマチュア写真家路線を歩んでいたことがわかりますね。
        いつもちょっとなにかしら思い入れが構図を決めています。
        こんな写真を撮り続けていたら、
        今頃、胸を張って、私、写真家を志望しています、って力んでいたことでしょう。
        なんの思い入れもない、ただの写真が撮りたくなったとき、
        ホロゴンがお手伝いしましょって、言ってくれたわけです。
        ホロゴンとの出会いは、奇縁であり、運命であった、
        そう感じています。
by Hologon158 | 2008-10-13 13:19 | ホロゴン写真展 | Comments(0)