わが友ホロゴン・わが夢タンバール

34.4ホロゴンデイ13「2007年5月12日の西の京」4 青丹よし奈良の都は遠くなりて


西の京と言っても、関西以外の土地にお住まいの方にはなんのイメージも湧かないでしょう。
関西の人だって、奈良以外の土地の人は同様かも知れません。
それほどに奈良はローカルになってしまったわけです。
かつての青丹よし奈良の都の時代であれば、
もう少しポピュラーであったかも知れません。
でも、この疾風怒濤の時代、眼前の変化があまりにも迅速強烈であるために、
過去の歴史は次第に忘却の淵に沈みつつあるように思われます。
第二次世界大戦の敵味方の構成を知らない若者が欧米で増えていると読んだことがあります。
日本だって同様でしょう。
まして、千数百年前の都のことなんて誰も無関心。
ところが、私のようにこうして奈良の地に住み続けていますと、
飛鳥、奈良の時代のことがまだまだ身近に感じられるのです。
遺跡として、気配として、環境として、歴史的な風土が息づいている感じなのです。
私に言わせると、このような感じがあること自体、大したことです。
歴史的記憶と地理的記憶とが交じり合う、なんらかのメカニズム、機序がありそうです。
実に我田引水の暴論であることをまず自白しておきますが、
ひょっとしたら、飛鳥のひとたちが西日を浴びて投げかけた影が、
飛鳥の地になんらかの印象を残したのではないでしょうか?
だとすると、今でもそうじゃないでしょうか?
燦燦たる陽光を浴びて、あるいは西日が長い影を作るとき、
せっせせっせと奈良の地を歩き回っている、私のような人間は、
いたるところに自分の足跡だけでなく、
人間としての痕跡を残しつつあるのではないでしょうか?
ただの影なので、さほどの痕跡ではないにしても、
大地は特定の人間の影の特徴をしっかりと記憶していくのです。
いつの時代かに、未来の美しい女性が西ノ京を訪れます。
そのとき、ふっとなにかを感じるのです、
ひとりの男の存在を。
はるか古えに、盛んに歩き回っていたらしい。
でも、ちょっと奇妙。
男よりも、その手のカメラの方が実在性が高い!
一つ目のキュクロープスのような異様な形状。
女性は、ある種の透視能力を働かせて、カメラのロゴを読み取ります。
「ホロゴンウルトラワイド? なに、これ?」

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by Hologon158 | 2008-10-20 22:58 | ホロゴンデイ | Comments(2)
Commented by yoshipass at 2008-10-20 23:25
これは面白いです(^^)
特に3枚目が好きですね!!
Commented by Hologon158 at 2008-10-20 23:40
re)yoshiさん
3枚目、例の飛びこみ自殺型撮影法です。
まだ軸足が残っている間にシャッターを切ってしまったので、
つま先が写ってしまいました。
でも、雨のコンクリートたたきです。
いつものやり方で跳んだら、つるっと滑りかねません。
これはホロゴンウルトラワイドを使う身としては冒せない危険。
でも、ちょっと奇怪な生きもののしっぽをつかまえた男の図ですね。