わが友ホロゴン・わが夢タンバール

2017年 02月 20日 ( 1 )

677.04 ホロゴンデイ192「2017年1月22日ホロゴンで近江八幡新年会」4 独奏者になる?


管弦楽団には沢山のヴァイオリン奏者がいます。
なにもヴァイオリンに限ったことではありませんが、
独奏者になれる人には特別の条件が必要です。
観衆の前でしっかりとパフォーマンスできるだけの、
度胸とか適格性がなければならない。
そんな条件を満たさない演奏家がオーケストラに入る。
確かにその通りなのでしょう。

でも、それだけの問題ではなさそうです。
そんなこととは関係なしに、オーケストラで弾きたい、
そんな演奏家もいるでしょう。
協奏することに生き甲斐を見いだす人。
協奏、独奏の道を決めるのはむしろこちらの方なのでしょう。

でも、確かにオーケストラの中には、独奏者になりたかったけど、
どうしてもその度胸が身につかなかった人もおいでになるでしょう。
でも、残念ながら、それは出発点。
それぞれに自らの場で経験を重ねるにつれて、
互いにどうしようもない差が広がっていくでしょう。
互いに異種のパフォーマンスを本質的な装備とすることになります。
独奏者はどこまでも独奏者にふさわしい心の構えを育てていきます。

面白いのは、リチャード・ストルツマン。
あるサイトの紹介によれば、
今では並ぶものがいない名手として知られているが、
最初はプロ・オーケストラのオーディションに不合格、
歯医者になるか音楽家になるかを苦悩したが、音楽家を目指しました
おそらく現在のクラシック音楽界では、最も著名なクラリネット奏者で、
100以上のオーケストラや多くの室内合奏団との共演のほか、ソロでも活動しています

以前に、一人の演奏家を招いて、リハーサルから最終公演に至るプロセスを記録する、
素敵なテレビ番組がありましたが、彼もそんな演奏家の一人。
世界的な演奏家とはとても思えないような温かさを持つ人物でした。
そのストルツマンが番組の中でしみじみと述懐するのです。
内側に家族の写真がびっしり貼られたクラリネットケースを見せながら、
「ソリストって寂しい人間なんですよ。
旅から旅へ、いつもホテルで一人寂しく食事し、寝なきゃならない。
そんなとき、この写真が私の心のよりどころになってくれます」
旅から旅へ、股旅渡世、というわけです。

グレン・グールドがコンサートを突然きっぱり断ってしまった理由の一つには、
この寂しさがあるのかも知れません。
グレン・グールドという人はもともと孤独を好む人です。
カナダの荒涼として風土の中に生活し、散策することを好みました。
でも、これは彼の生活環境なのです。
この寒く厳しい風土が彼の心を活発にし、もしかすると温めた。
旅から旅へ、ホテルからホテルへの旅の寂しさとは異次元。
自分で選んだのではない環境が、もしかすると、
グールドの繊細な心に繰り返し繰り返し擦り傷を与えたのかも知れません。

そのように考えると、合奏団に入って仲間と一緒に演奏しながら、
心の底から幸せを感じる、そんな人は幸せな人なのでしょう。
それが合奏の質にも影響を与えているかも知れませんね。

あなたはどちらを選びますか?
私は実のところ生涯を通じて、自分の選択ですべてを決める、
他の人は私の決断に容喙することはできない、
そんな人生を歩んできました。
ある種の独奏者的人生なのかも知れません。

私が在職中でも少なくとも6人は重荷に耐えかねたのか自殺してしまいました。
私の親友の一人、私が親しく付き合っていた先輩が二人、含まれていました。
あまりの高率に、なにか私に原因があったのでは、と思うほど。
だから、ストルツマンの言葉が痛いほど身にしみました。

でも、私はまったく苦にしないで生きて来ました。
写真と音楽があったからです。
毎週土曜日に一日中歩き回って写真を撮る、
この行為が私の心から澱を落としてくれていた、
私はそう信じています。
かなりの同僚は酒に心の支えを見いだしていたのかも知れません。
でも、酔うにつれ、防ぎようもなく仕事の悩みが頭をもたげてきて、
それを忘れるためにまた呑んで、と悪循環に近い解決法。
私はそう確信していました。
40年間写真を続けてこられたのも、ただの趣味ではなくて、
生きるために必要な力を私の心に注ぎ込んでくれる、エネルギー源だったから、
私はそう信じています。





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by hologon158 | 2017-02-20 23:35 | ホロゴンデイ | Comments(0)