わが友ホロゴン・わが夢タンバール

2017年 05月 29日 ( 2 )

690.06 ホロゴン外傅200「2017年5月12日プロター枚方穂谷でリゾート気分」6 花の色

志村ふくみさんの色感覚の深さを示す文章を、
「一色一生」から一つ引用させていただきましょう。

「まだ折々粉雪の舞う小倉山の麓で桜を切っている老人に出会い、
枝をいただいてかえりました。
早速煮出して染めてみますと、
ほんのりした樺桜のような桜色が染まりました。
その後、桜、桜と思いつめていましたが、
桜はなかなか切る人がなく、
たまたま九月の台風の頃でしたが、
滋賀県の方で大木を切るからと聞き、
喜び勇んででかけました。
しかし、その時の桜は三月の桜と全然違って、
匂い立つことはありませんでした。

その時はじめて知ったのです。
桜が花を咲かすために樹全体に宿している命のことを。
一年中、桜はその時期の来るのを待ちながら、
じっと貯めていたのです。

知らずしてその花の命を私はいただいていたのです。
それならば私は桜の花を、
私の着物の中に咲かせずにはいられないと、
その時、桜から教えられたのです。」

この文章の1頁ほど後に、ノヴァーリスを引用されます。

「すべてのみえるものは、みえないものにさわっている。
きこえるものは、きこえないものにさわっている。
感じられるものは感じられないものにさわっている。
おそらく、考えられるものは、
考えられないものにさわっているだろう」

付け加えられる言葉はありません。
ただ幾度も読んで、かみしめるだけですね。





c0168172_23221751.jpg
c0168172_23221150.jpg
c0168172_2322463.jpg
c0168172_23215812.jpg
c0168172_23215180.jpg
c0168172_23213795.jpg
c0168172_2321309.jpg
c0168172_23203342.jpg
c0168172_23193032.jpg
c0168172_23165052.jpg
c0168172_23163980.jpg
c0168172_23163260.jpg
c0168172_23162551.jpg
c0168172_2316188.jpg
c0168172_231542100.jpg
c0168172_2315352.jpg
c0168172_23152794.jpg
c0168172_23152059.jpg
c0168172_23151379.jpg
c0168172_23142939.jpg
c0168172_23142028.jpg
c0168172_23131914.jpg
c0168172_23125132.jpg
c0168172_23124321.jpg
c0168172_2312378.jpg
c0168172_23123026.jpg
c0168172_2312583.jpg
c0168172_23115628.jpg

by hologon158 | 2017-05-29 23:59 | ホロゴン外傳 | Comments(0)

690.05 ホロゴン外傅200「2017年5月12日プロター枚方穂谷でリゾート気分」5 志村ふくみさん



先日来、志村ふくみさんの言葉に魅せられています。
私が志村ふくみさんを知ったのは、pretty-bacchusさんのブログで。
私が毎日訪問しはじめたのは2008年8月ブログ参入後なので、
12年という長年月にわたるブログの途中から読み始めたわけですが、
pretty-bacchusさんは志村さんに師事された顛末は、
並ぶものなきブログのクライマックスの一つだった感じがします。

それでも、私は志村さんのお仕事とはまったく無縁の人生。
読み終わった後は、縁もないまま2017年に至ったわけです。
でも、縁というものは不思議なものですね。
縁があると、縁の方でなんとか結び目を見つけてくれるようです。
次のような顛末で。

夏頃から、偶然なことで、図書館に通い始めたのです。
そして、数回通って、突然、入り口付近の小さな棚が、
朗読CDの棚であることに気づきました。

私は、英語の古典の朗読ファイルをAudible.comから購入してきました。
数十を超えるでしょう。
英米の朗読家たちの凄みは、こうした朗読ファイルに親しまないと、
分からないでしょう。
古典小説の多くは、ディケンズのような数十人は例外としても、
かなり沢山のキャラクターが登場して、交錯します。
朗読者は瞬時にキャラクターそのものに成りきれるのです。

そのようば離れ業を幾人も体験してしまうと、
日本語の朗読にも同様のパフォーマンスを求めてしまいます。
新潮社等からかなり沢山の日本文学の朗読CDが発売されています。
20アイテムばかり買いあさりました。
でも、数人の例外を除くと、
日本の朗読者のパフォーマンスは落第がほとんど。
お金を損したような気分で遠ざかっていました。

でも、図書館で、池波正太郎のCDを沢山見つけてしまったのです。
私、池波正太郎が大好きなのです。
幸運なことに、小森彰さん、かなり達者!
気に入りました。
かくして、朗読CDを求めての図書館通いが続くようになったのです。

そうして、2、3回目に見つけてしまったのです。
志村ふくみさんのエッセイ「一色一生」
人間国宝にして文化勲章も授章された染織家の初期の随筆のようです。
もちろんダイジェストですが、小川道子さんの朗読が素敵です。
ご本人が語りかけて来るような味わいがあります。

そして、知りました、
志村ふくみさんは現代の清少納言なんだ!
リズムのある達意の文章にはうっとりさせられます。
私のような短文をぶつ切りに重ねるのではありません。
言葉、文章を紬織りのように織り重ねていかれるのです。

さっそく、原本を買い求めました、
志村ふくみ「一色一生」(求龍堂)
「天は二物を与えず」と言います。
でも、これはあまり正確ではありまえせんね。
むしろ大抵の場合、「天は一物も与えず」ですから。

でも、天は志村ふくみには二物どころか三物も四物も与えられた、
そんな感じがします。
お天道様は、明らかに不公平ですね。

天が志村さんに与えられた才能の一つが、色彩感覚。
志村さんが現実に色をどんな風に感じておられるのか、
その感覚のない人間には絶対に分かりません。
想像もつきません。
でも、志村さんの文章を通じて、影絵を見るようにして、
志村さんがこの世界を彩る色を感じておられるのか、
それがぼんやりと分かる感じがします。
それだけで、もう驚きで満たされます。
ああ、こんなに繊細にかつ豊かに色を感じる人がいるんだなあ!




c0168172_22242663.jpg
c0168172_22241836.jpg
c0168172_22241153.jpg
c0168172_2224489.jpg
c0168172_22235697.jpg
c0168172_2223498.jpg
c0168172_22234242.jpg
c0168172_2223362.jpg
c0168172_22232965.jpg
c0168172_2223225.jpg
c0168172_22222429.jpg
c0168172_22221739.jpg
c0168172_22221198.jpg
c0168172_222222.jpg
c0168172_22215538.jpg
c0168172_22214966.jpg
c0168172_2221415.jpg
c0168172_22213250.jpg
c0168172_22212586.jpg
c0168172_22211814.jpg
c0168172_22211235.jpg
c0168172_2220472.jpg
c0168172_22204041.jpg
c0168172_22203337.jpg
c0168172_22202196.jpg
c0168172_22201432.jpg
c0168172_2220857.jpg

by hologon158 | 2017-05-29 22:25 | ホロゴン外傳 | Comments(2)