わが友ホロゴン・わが夢タンバール

2017年 09月 10日 ( 1 )

702.06 ホロゴン外傅209「2017年8月2日アンギュロンが奈良町に」6 永遠の0



映画「永遠の0」を見終わりました。
真珠湾攻撃にも従軍した戦闘機乗りが、
類稀な優れたゼロ戦ファイターなのに、
常に敵を避け、生きて妻子のもとに帰還しようとします。
それなのに、なぜか特攻隊に加わって、終戦直前に散ってしまう。
残された娘が老齢で世を去った後、
孫二人が、一度も会うことのなかった祖父のことを知りたくなり、
祖父の生前を知る人たちを訪ねて、
祖父の死の真相を探り当てるというお話。

戦史を読んでいつも感じることは、
日本人は戦争には向いていないこと。
日本人は人の命を大切にしないこと。
日本人は敵を理解しようとしないこと。
でも、この映画を観て、考えました、
いやいや、日本人自身のことも十分理解していないかもしれないな?

この映画については、ネットで検索してみますと、
賛否両論がとびかっているようです。
私はそのどの記事も読みませんでした。
私は映画評論をするつもりはないからです。
人の意見もどうでもいい。
自分がどう感じたか、どう考えたか、それだけ。

私は子供の頃から主人公になったつもりで映画を観る癖があります。
たいていの方がそうかも知れませんが、
映画に登場する誰を選ぶかとなると、
人それぞれでしょう。
この映画の主人公はもちろん零戦ファイターの宮部久蔵でしょう。
でも、どうも不可解で、最後までその気持ちが解けないまま、
宮部久蔵に同化することはできず仕舞いに終わりました。
この宮部久蔵という人間を理解できなかったのです。

極めて高度の操縦技術と戦闘技術の持ち主なのですが、
絶対に生き抜いて妻子の元に帰ると、
はっきり口にするのです。
なぜ?
宮部久蔵と同じ気持ちの軍人は一杯いたでしょう。
でも、その決意は胸に秘めて、絶対に口外しなかったでしょう。
まして、戦闘となると、いつも一機だけ戦闘区域外に逃れて、
戦闘が終わると、涼しい顔をして、指揮の仕事に戻るという、
弁解の余地のない職務放棄を繰り返したりはしなかったでしょう。
天皇陛下のために命をなげうつことが常識とされた時代です。
そんなことを口にしようものなら、
たちまちいわば帝国軍人の本懐にもとると決め付けられて、
たちまち零戦ファイターの地位を奪われ、
一罰百戒、まっさきに死地に送り込まれてしまったでしょう。
それなのに、なんで自分の意思を明らかにし続けたのでしょう。
そんな人がなぜ零戦のリーダーとして生き延びられたのでしょう?

最後に、彼は特攻に志願してしまいます。
映画のラストは、その特攻シーンなのですが、これがまた不可解。
宮部久蔵は奇跡的なほどの飛行術を駆使して、対空砲火をかいくぐり、
敵艦に目がけて突入していきます。
その直前の急降下する操縦席の主人公の不可解な表情を写し出して、
敵艦に激突したかどうかは不明なまま、映画は終わります。
このラストの表情も不可解。
私には、その瞬間の宮部久蔵の表情は異様でした。
死を覚悟した平安ではなく、
憎悪のような憤怒の表情だった。
常々、特攻で日本敗戦の運命を変えることなどできないから、
無意味だと公言していた人間が、
しかも、どんなことがあっても、生きて妻子のもとに帰りたい、
そう念願して来た人間が、自分の同じような思いの人間もいるだろう、
敵艦に突っ込んで、無意味な殺傷を敢行しようとした、
そんな感じにしか思えないラストシーン。

このラストシーンで、この映画は、
宮部自身が無意味と信じていた特攻、
そして太平洋戦争を美化する映画に突如変質してしまった、
そう感じざるを得ませんでした。

結局、この映画を見終わって残されたのは、
「永遠の零」ではなく、「一時の謎」でした。
この映画、一体なにを描きたかったんだ?
少なくとも、反戦への願いではなかった。
この後味の悪さには参りました。




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by hologon158 | 2017-09-10 12:23 | ホロゴン外傳 | Comments(0)