わが友ホロゴン・わが夢タンバール

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640.01 ホロゴン外傅163「2016年3月26日エルマジ95㎜f2が清水歩き」1 路地伝いに歩く



外傳シリーズを続けましょう。
3月26日、友人たちと京都市街の東南部をぐるっと歩きました。
私の保有するペッツヴァールレンズをソニーα7に付けました。

     エルマジ95㎜f2.4。

前玉の背面の一部が貝殻状に壊れているせいで、
どうやら誰も買わなかったようで、1万数千円で落札して、
かなり廉価で掘り出し物を手に入れたと喜んでいたのですが、
中将姫光学さんのお話ではもともとそんなに高価でないらしく、
掘り出し物と言うわけではなかったようです。
でも、優雅な描写の大口径レンズなのですから、
私にとっては心から満足できる買い物だったことは変わりがありません。
この日も好調でした。




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by hologon158 | 2016-05-31 11:07 | ホロゴン外傳 | Comments(2)

639.06 ホロゴン外傅162「2016年5月16日真打ちスピードパンクロ50㎜郡山参上!」6 最低三千回



空海さんは、と言わせてもらいます。
いつも書いていますが、私に信仰はありません。
いかなる宗教にも帰依してません。

でも、「私はキリスト者です」と言う方が、
キリストの教えを本当に守って生きているのでしょうか?
歴史には似而非キリスト教徒が氾濫しています。
十戒は「汝、殺すなかれ」と端的に命じていて、
イエス・キリストはまさにその人生を送られたのに、
世界中で殺戮と破壊を果てしなく繰り広げてきたのがキリスト教徒です。
みなさん、地獄で呻吟しているでしょう。

空海さんは、紛れもなく日本が生んだ真の天才の一人ですが、
民のために慈悲と信仰の生涯を送られたようです。
そのような天才にして、この言葉とは!
そう仰天するような言葉に出会いました。
こうおっしゃったのです。

「衆藝、沙(イサゴ)をもてあそんで始めてすでに其の極に會カナえり」

すべての技芸は少しずつ少しずつ丹念に基礎を学び、
一歩一歩修得して行ってはじめて奥義を極めることができる。

空海さんもそうだったんだ!
どんなこともまじめに真剣に、手を抜かずに学んでいったから、
あのような究極の信仰を生きることができたんだ!

私は常に「継続は力なり」を信じてきました。
「始めたばかりなのに、この人はすごい!」
そんな人があらゆる分野に居ます。
でも、悲しいですね、大成するとは限らない。
途中でふいっとやめてしまうこともあります。
いつまで経っても、最初に期待されたほどのレベルに達しない。
才能をたのむあまり、手抜きをしてしまうのです。
すべてを賭けてがんばるということができない方がいるのです。

一方、才能がないときは、ひたすら練習を繰り返す、
これしかありませんね。
写真もそうです。
YouTubeで、空手の大名人、大山倍逹さんのビデオを見て、
その言葉に出会って、大変に喜んでいます。

    「どんな技も最低三千回は練習しないと、ものにならない」

空海さんと同じことをおっしゃったわけです。
私がホロゴンウルトラワイドに出会って、
どのように撮ってよいのか、さっぱり分からなかったとき、
「フィルム千本切り」を目指したのは間違いではなかったのです。

長年露出計のないマニュアルカメラを使い続け、
自分の勘で光を読む修練を積み、
さらにはノーファインダーで写真を撮る練習を続けました。
優れた写真作品を撮るためというわけではありません。
私の歩いた軌跡を記録し、
私が出会ったもの、ひとたちを写真にしっかりとどめるため。
写真の撮り方はシンプルそのものなので、
私がこうした修練で身につけた一番大切なものは、
私が心にとどめたいものや人と出会う方法だったのかも知れません。
そんなものや人がどの町にも溢れていることを知ったこと。
だから、目的地について駅でカメラを取り出した瞬間に撮り始め、
帰宅するためにカメラをバッグに収めるまで撮り続けます。
その結果は2つのブログでごらんの通りです。
なんでもない、ただの道ばた写真ばかり。
私は考えます、これでよいのだ。





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by hologon158 | 2016-05-30 22:58 | ホロゴン外傳 | Comments(0)

639.05 ホロゴン外傅162「2016年5月16日真打ちスピードパンクロ50㎜郡山参上!」5 人間鑑定



ちょっとしたきっかけがあって、
以前に呼んだ空海への関心がよみがえり、
彼の語録を書棚から下ろして読み始めました。

序文に、空海という人とその思想はとても深遠で、
つかみがたい大きさがある。
さしもの司馬遼太郎も「空海の風景」で、空海をつかみきれず、
周辺事情を描くにとどまってしまったという趣旨の文章がありました。
私は別に司馬遼太郎ファンではありませんし、
この著者は、司馬遼太郎にはできなかった空海という人間の
より深い理解に達しているとい                                                                                                                                                                                                
でも、これは完全な当て推量、憶測、憶断にすぎません。
むしろ検証不能だから、生き延びている一種の神話です。
もちろん多くの伝記作家や歴史小説家はこの神話にのっかって、
稼いできました。
むしろ真相は逆で、誰も他人を完全に理解することなどできません。
カール・ヤスパースはさすがに大哲人です。
「どのような人も、常に、自分が理解し、
人が理解している以上の存在である」
「どのような人も」なのです。

まして、偉大な人間になると、その程度がさらに高まり、
私の揚琴伴奏の師匠の陳少林先生が言った言葉が当てはまります。
「私は生徒さんたちよりもテンポが正確です。
だから、生徒さんたちのテンポのずれが分かります。
小澤征爾先生は私よりテンポが正確です。
だから、私がずれたら分かります。
でも、私は小澤征爾先生のテンポがずれても分かりません。」

まったく同じことが人間の理解にも言えそうです。
私たちは自分よりも小さな人間のことならかなり理解できます。
でも、自分より大きな人間のことは分かりません。
自分より深い人間のことは分かりません。
空海はそんな大きさ、深さを備えた、空前の人物の一人です。
その空海に出会って直接空海の人生に立ち会うなんてことができず、
その著述や業績の全部を知悉することなく、
空海のことが分かったなんて、誰にも言えないことですね。

こんな風に考えると、人を理解しようとしたり、
ほめたりけなしたりするときも、
自ずと限界があることを忘れないようにしないと、
とんでもない誤解をしてしまうおそれがありそうですね。





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by hologon158 | 2016-05-29 21:24 | ホロゴン外傳 | Comments(0)

639.04 ホロゴン外傅162「2016年5月16日真打ちスピードパンクロ50㎜郡山参上!」4 珠を持てば



空海の語録を読み直しはじめたことは既に書きました。
さっそく写真好きにはたまらない名句が一つ見つかりました。

    珠を持てば、善念生じ、
    剣を把トる、殺心の器

水晶の玉を手にしてじっとのぞき込むと、
心がだんだんと澄んできて、
美しい心で人生を生きたくなるけど、
名剣を手に入れたりすると、
ついにはなにか命あるものを切りたくなってしまい、
心は荒んでしまうおそれがある。
写真家に悪人はいない、などと言うつもりはありません。
どんなものでも、使い手の心次第ですね。

これだけ譲歩した上で、我田引水。
どなたも体験がおありでしょう。
あまたある珠のうちで、どんな人でも手に入れることができるのが、
写真レンズ。
そして、写真用レンズほどに美しく磨かれた大きな珠はあまりありませんね。
私も夢中になってしまいました。

その最初の宝珠がヤシカコンタックスのレンズたちでした。
とくに次の3本は巨大レンズでした。
    ディスタゴン15mmF3.5
    プラナー85mmF1.4
    オリンピアゾナー180mmF2.8
レンズ径がすべて超特大。
    ディスタゴンが85mm(実は失念、推定で記載)
    プラナーが67mm
    ゾナーが72mmF
おそらく各焦点距離のレンズとしては
史上初めての大きさだったでしょう。

その後、その後、もっと口径は小さいけど、
もっと美しいレンズをたくさん手に入れました。
スーパーアンギュロン21mmF3.5もその一つ。
黒く深いレンズのたたずまいは異世界への窓のようでした。

でも、極めつけは、私にとっては、やっぱりHologon15mmF8。
ある人が感に堪えない表情で告白したことがあります、
「ホロゴンを見つめていると、舌でペロリとなめたくなる」
こうなると、ちょっとサイコの世界に足を踏み入れてしまいそう。
私はそのような気持ちになったことはありませんが、
朝目的地に降りたって、
バッグから出したホロゴンの目をのぞき込んだ途端、
まさに気分は、make my day!

私のブログでご覧になって、
ホロゴンから生まれる写真がこれか?
汚いじゃないの?
そうおっしゃるあなたはもう少し心を磨いた方がよろしいようで。
光る珠だけが美しいんじゃないし、
美しく輝いている人間が必ずしも美しい心をもつとは限りません。
日々の心をすり減らす「下女仕事」で全身汚れきり、
疲れきったシンデレラは、それでも内に美しい心を育て、
その瞳をのぞき込んだら、誰も及ばないほどに清らかに澄んで、
きらきらときらめいていたことでしょう。

レンズも同様ですね。
見かけと、そのレンズが映し出してくれるイメージとは
おそろしくかけ離れたレンズがいっぱいあります。
まさに人間界とこのあたりもそっくりなのです。
こんなレンズシンデレラを見つけるのが、
クラシックレンズで写真を撮るのが好きな人間にとっては、
最高の醍醐味ですね。

私の愛するレンズたちの中で、シンデレラに近い存在は、

    パンタッカー50mmF2.3
    スピードパンクロ35mmF1.5
    キノプラズマート19mmf1.5

とりわけキノプラズマートは、正式には3/4inchレンズですが、
ebayのたった1枚の写真はレンズ筐体が歪んだ感じで、
錆だらけ、ゴミだらけという風情でした。
いったん売れたのに、また舞い戻ってきたようで、
再び同じ形でオークションが再開しました。
あまりの汚さに買い手がクレームを付けてキャンセルしたらしい。
おかげで、ほとんど競争なしに、破格の価格で落札できました。
到着すると、本当に写真通りのみじめなジャンク風。
でも、サンプル写真のように歪んではいませんでした。
私にはマツモトカメラの松本さんという強い味方がいます。
さっそくオーバーホールをお願いしました。
帰宅したキノプラズマートの筐体はメタリックに輝き、傷一つなく、
瞳ならぬレンズもキラキラと輝く美少女でした。

日本文学上もっとも高貴優雅に輝く女性は誰でしょう?
私には紫の上と思われます。
その宮廷最高の貴婦人に育つであろう、と、光源氏が見初めた、
幼い頃の若紫そこのけの変身でした。
こんな風にしてレンズとおつきあいできるのは、
クラシックレンズ好きの特権かもしれません。

ここで記憶すべき教訓は、だから、
光る玉だけが宝珠ではない、ということ。




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by hologon158 | 2016-05-29 11:00 | ホロゴン外傳 | Comments(0)

639.03 ホロゴン外傅162「2016年5月16日真打ちスピードパンクロ50㎜郡山参上!」3 一種の神話



ちょっとしたきっかけがあって、
以前に呼んだ空海への関心がよみがえり、
彼の語録を書棚から下ろして読み始めました。

序文に、空海という人とその思想はとても深遠で、
つかみがたい大きさがある。
さしもの司馬遼太郎も「空海の風景」で、空海をつかみきれず、
周辺事情を描くにとどまってしまったという趣旨の文章がありました。

私は別に司馬遼太郎ファンではありませんし、
この著者は、司馬遼太郎にはできなかった空海という人間の
まったき理解を果たし得たという気概、自負心から、
司馬遼太郎を見下したとまでは思いませんが、
でも、かちんときました。

空海ほどの人物でなければ、
かなりの程度までその人物の内奥、深淵を見渡すことができるんだけど、
という暗黙の大前提があるように思えたからです。
このような前提はおおっぴらにまかり通っている感じがします。
目利きが観れば、たいていの人間の人間性、精神の奥底まで見通せる!
このような目利きによる洞察的鑑定は、
実のところ、検証不能なのに、かなり信用性を獲得しているようです。

でも、これは完全な当て推量、憶測、憶断にすぎません。
むしろ検証不能だから、生き延びている一種の神話です。
もちろん多くの伝記作家や歴史小説家はこの神話にのっかって、稼いできました。
むしろ真相は逆で、誰にも他人を完全に理解することなどありえません。

カール・ヤスパースはさすがに大哲人です。
「どのような人も、常に、自分が理解し、人が理解している以上の存在である」
「どのような人も」なのです。

まして、偉大な人間になると、
私の揚琴伴奏の師匠である二胡演奏家陳少林先生が言った言葉が当てはまります。
「私は生徒さんたちよりもテンポが正確です。
だから、分かります。
小澤征爾先生は私よりテンポが正確です。
だから、私がずれたら分かります。
でも、私は小澤征爾先生のテンポがずれても分かりません。」

まったく同じことが人間の理解にも言えそうです。
私たちは自分よりも小さな人間のことならかなり理解できます。
でも、自分より大きな人間のことは分かりません。
自分より深い人間のことは分かりません。

空海はそんな大きさ、深さを備えた、空前の人物の一人です。
その空海に出会って、直接空海の人生に立ち会わないで、
空海のことが分かったなんて、言うのは、ナンセンスですね。

こんな風に考えると、人を理解しようとしたり、
ほめたりけなしたりするときも、
自ずと限界があることを忘れないようにしないと、
とんでもない誤解をしてしまうおそれがありそうですね。





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by hologon158 | 2016-05-28 23:34 | ホロゴン外傳 | Comments(0)

639.02 ホロゴン外傅162「2016年5月16日真打ちスピードパンクロ50㎜郡山参上!」2 わが谷は緑なりき



スピードパンクロ50㎜F2
前回ずらりと並べてみて、すっかり魅せられてしまいました。
臨場感をきりっと牽きだしてくれます。

フォード監督の「わが谷は緑なりき」をご覧になったことがありますか?
私はDVDで楽しんだのですが、
なんという世の中なのでしょう!
フルムービーがYouTubeで観られるのです。

   How Green Was My Valley (1941) - Full Film
  (https://www.youtube.com/watch?v=e-kE3CC2uDc)

アイリッシュだったフォードはアカデミー作品賞を4回も受賞しています。
「男の敵」「怒りの葡萄」「わが谷は緑なりき」「静かなる男」
作品の舞台は、アイルランドが2回、ウェールズが1回なのですから、
フォード監督が自分の心のルーツをどこに置いていたかが分かります。

しかも、これらの作品が絶品ばかり。
その中で圧倒的に大好きなのがこの「わが谷は緑なりき」
ウェールズの合唱もたっぷり楽しむことができるのですが、
作品そのものが素晴らしい。

そして、主演女優のモーリン・オハラが夢のように美しい。
小津安二郎監督の原節子さんの立場にそのままあてはまるのが、
フォード監督のモーリン・オハラと言えそうです。
匂うような美しさはまさに「晩春」の原節子さんに匹敵します。
彼女のフォード監督出演の第1作だったようです。

ところが、私がこの映画でどうしても忘れることができないのが、
画像の溢れるような美しさなのです。
とても奥行きが深く、とても生彩に富み、そして、詩情に溢れています。
名撮影監督アーサー・C・ミラーはこの作品でアカデミー撮影賞に輝きました。

そして、最初観たときから知りたかったことが一つあります。
どんなレンズで撮ったのだろう?
私はそんな疑問をどこまでも追究して、調べまくる。
そんなことをする人間ではありません。
ただ、そう考えて、いつか知りたいなあ、と思うだけ。

スピードパンクロ50㎜F2の描写をこうして知ると、
当時の映画用レンズたち、スピードパンクロやバルターの凄さには脱帽。
私が持っている当時の映画用レンズはこの2セットだけなので、
ほかにもこれらに匹敵する名レンズがあったかも知れません。
だから、絶対にそうだったんだ、という確信まではありませんが、
とくに白の輝き、ものの存在感の描出の雰囲気は、バルター50㎜F2よりも、
スピードパンクロ50㎜F2に似ている感じがして、
何十年来の疑問がもしかしたら解けたんじゃないかな?
と悦に入っています。

まだご覧になっていない方は是非ご覧になってください。
心があったかくなりますよ。





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by hologon158 | 2016-05-28 11:44 | ホロゴン外傳 | Comments(0)

639.01 ホロゴン外傅162「2016年5月16日真打ちスピードパンクロ50㎜郡山参上!」1 耳を傾ける



ようやく秋田角館シリーズが全編完了しました。
ブログ上ではまるで反応がなかったのですが、
友人たちに一番受けたのは、秋田内陸鉄道の写真。

疾走する車両の窓ごしのスピードパンクロ35mmF2の写真たち。
F5.6に絞って、30mほどの距離にピントを併せて、
心が躍るシーンを見た瞬間にシャッターを切った写真たち。
1930年頃の映画用レンズの雰囲気描写に助けられました。

その兄貴分がスピードパンクロ50mmF2。
中将姫光学さんからお借りして、
大和郡山を二人で歩きながら、ロボグラフィを採集しました。
590枚取って、そのほぼ半分の250枚をブログに並べてみましょう。
このレンズとちょうど同じ頃、
ドイツの映画キャメラマンたちが愛用していたのがアストロベルリンのレンズたち。
その一つの典型がパンタッカー50mmF2.3。
まさに、スピードパンクロとほとんど同スペックです。
情景をデモーニッシュまでに奥深く変容してくれるパンタッカーに対して、
スピードパンクロがどんな変化ヘンゲを見せてくれるか?
楽しみです。


そういえば、人間も、ときに沈黙で語ることができる人がすごいですね。
フランクリン・ルーズベルト大統領だってでしょうか?
ホワイトハウスの訪問客と長時間話し込んだそうです。
でも、実は大統領がずっとしゃべり続けただけだった。
でも、客が帰った後、大統領は側近に言ったそうです、
「今の客は雄弁で優れた人物だったな」
耳の傾け方が常人と違っていたのです。
本当にすべてを理解し、すべてを心に仕舞込む、そんな視線、
うなづき、振る舞いだったのでしょう。

二胡の先生が、日本と中国の小学校の違いを教えてくれました。
「日本は姿勢良く先生の向いて動かないように、と教えます。
中国は違います。
どんな姿勢でもいいのです、ちゃんと耳を傾け、
頭を使って吸収しようとしていることが分かりさえすれば、
よいのです」

私もさして難しいことではありませんが、
講演したり講義をしたりすることがかなりありました。
日本人ですから、しっかりこちらを見て、
ときには深くうなづいたりします。
でも、「なにか質問がありますか?」
最前列で幾度も深くうなづいていた御仁、
勢いよく手を挙げて、いかにも頭がよさそうな歯切れの良い口調で、
出して来る質問が、実はなんにも聴いておらず、
なんにも理解していなかったことが一言でばれる、
そんな質問、ということがよくありました。

受講者の大半はメモもとりませんね。
翌日になったら、全部忘れているのです。
メモを取らないというのは、記憶に値しないという、
暗黙の意思表示だと気がつかなくちゃ。

私は、賢そうな顔をして、
したり顔でうなづく日本人もあまり信用していません。
まして、「なーるほど」という相づちをうつ人も、
好きではありません。
私は生涯この言葉を使ったことがありません。
この間の手って、9割がた、賛意を表すときには使いません。
ふーん、そういう考え方もあるんですねえ、でもねえ...
そんな気持ちを暗示することが多いのですから。





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by hologon158 | 2016-05-27 22:15 | ホロゴン外傳 | Comments(0)

647.01 ホロゴントラベル37「2016年4月3日キノプラズマートで角館さらば」-大団円-



大事な撮影日には、サブカメラを用意します。
ほとんど不動の地位を築いているのが、
Olympus EP-L1
一番軽いうえ、小さな名レンズたちが待機しているからです。

今回角館にお供したレンズは、キノプラズマートの逸品。
キノプラズマート3/4inchF1.5
私が19㎜と呼んでいるキノプラズマート。
ラストデイにこのレンズを使いました。
角館の旅の最後の挨拶を彼にお願いすることにしましょう。




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by hologon158 | 2016-05-26 23:01 | ホロゴントラベル | Comments(0)

646.05 ホロゴントラベル36「2016年4月3日ホロゴン名残りの角館」5-完-高見の見物



5月19日木曜日の締めくくりは午後7時から、
ザ・シンフォニーホールでのコンサート。
関西フィルハーモニー管弦楽団第274回定期コンサート。
大ヴァイオリイストのオーギュスタン・デュメイが音楽監督として、
指揮と独奏を披露してくれました。

①モーツァルト
ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲
②ブルッフ
ヴィオラとオーケストラのためのロマンス へ長調
③ブラームス
交響曲第3番 

ティケットを手に入れるのが遅れて、初めての3階席1列目。
ゆったり座っていると、指揮者右のチェロの主席の列までしか見えません。
私たちの席の後ろにもう1列、
ほとんど補助席風の折りたたみ椅子の席があって、
そこにも人がきましたので、
バルコニーに身を乗り出すわけにも行かず。
チェロの大半とコントラバスだけはついに見えず。
居たんでしょうかねえ?

妻は端の席で、誰の邪魔にもならないので、
身を乗り出して終始真剣に熱中。
なんでも熱中できる人で、動物園にも行ったら、
もう孫なんかそっちのけで、一番前で動物たちに没頭。
こちらを観る方がずっと面白いという方なので、
コンサートでもその集中ぶりにはただならぬ気配が漂います。

私も、①のデュメイとヴィオラのミゲル・ダ・シルヴァの協奏は
真っ正面に見下ろすことができ、高みの見物で楽しめました。
3階からだと、全演奏者たちの動静が手に取るように見えるので、
これも一興というところです。
ただし、サウンドはいつものようにふっくりと立ち上る感じではなくて、
「山のあなた」という雰囲気でした。
一長一短というより、一長三短という感じですが、楽しめました。

とくに①の演奏はすばらしいものでした。
モーツァルトを得意とするデュメイの本領発揮というところでした。
ダ・シルヴァさんはイザイ弦楽四重奏団のメンバーだった人で②も堂々たる演奏でした。
ヴィオラという楽器、もともと大好きなのですが、
さらに好きになりました。

③のブラームスの3番はコンサートホールで聴くのははじめて。
正直言って、あまりよい曲だとは思えません。
音楽に豊かな響きと厚みが足りず、
クライマックスに向かって怒濤のようにうねり盛り上がる
オーガニックなダイナミズムが不足しているので、
心が乗りにくいという感じ。
さりとて、ハッとさせてくれるような心に響く歌もあまり聞こえてこない。
その上、三階席から見下ろしているので、
個々のパートの演奏はしっかりと分析的に聞こえてくるので、
「ああ、みんながんばってるな。
民の竈はにぎわいにけり、だな。
でも、コントラファゴット、トロンボーンとティンパニーの皆さん、
ほとんど座ってるだけなんだなあ....」

子供の頃、テレビでアメリカの喜劇を見ました。
オーケストラのメンバーが二人で総譜をのぞき込みながらの予行演習。
その二人は大太鼓とシンバルなのです。
ずっと無言で頭を振りながらずっと譜面を目で追い続け、
5分も経った頃でしょうか、いきなり、
「ドーン」「シャーン」
それから、また、無言で頭振り..........
子供ながら笑い転げました。

関西フィルの演奏を見下ろしながら、
ティンパニーなどの奏者の方々、どんな風に練習するんだろうなあ、
たいていの場合、リハーサルでも座ったままなんだろうか?
と、ちょっとかわいそうな気分。
こんな余計なことを心にあれこれ浮かべてしまうのは、
やっぱり三階席がいわば高見の見物なんだということでしょうか?





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by hologon158 | 2016-05-26 21:35 | ホロゴントラベル | Comments(0)

646.04 ホロゴントラベル36「2016年4月3日ホロゴン名残りの角館」4 マツモトカメラ



近頃は写真教室のメンバーの女性お二人と昼食をいただくのが恒例。
我々三人がプリント持参組という共通点。
元気の良いお二人に裏難波撮影を誘われましたが、
私は大事な用があったので、行きたいのは山々ですが、
分かれて曾根崎商店街を南下。
御堂筋の交差点を西にわたり、
駅前第二ビルのマツモトカメラに参りました。

用件が2つ。
一つは、第一世代の固定鏡胴ズミクロン50mmF2の販売委託。
店主の松本さんから指摘されました。
「第一世代のズミクロンはもともと単層コーティングなのです。
でも、おれはもっと新しいコーティングがされているので、
写りがかなり現代的になっているはずです」
道理で!
もっと古めかしい描写を期待していたのに、
完璧なほどに立派な像が撮れます。
凄みのある描写を期待する人なら、これがいいでしょう。
第二世代以降よりもガラスがもっと良いはずなので、鬼に金棒状態。
でも、ボケた表現を求めていた私には適しない完璧表現。
販売委託して、良かった!

もう一つの用件は、L/Mリングの取り外し。
中将姫光学さんからお預かりしたスピードパンクロ50mmF2を、
ソニーα7から取り外して、ロシア製の超廉価標準レンズ、
インダスター50mmF3.5に付け変えようとしたのです。
ところが、中将姫光学さんからお聞きしていたのに、
うっかり忘れていたことがありました。
スピードパンクロはライカLのスクリュー仕様への改造版だった。
ソニーα7に入れるとき、ぐっと抵抗がありました。
だから、L/Mアダプタがソニーα7から外れない。
どんなにしても外れません。
無理をしたくないので、松本さんに取り外しをお願いしたのです。
さすがにプロです、
「Lマウントアダプタは、それだけではずそうとしても、外れません。
レンズを付けて、レンズごと外してください」
なんとか外れました。

アダプタを子細に点検してから、松本さん、
「このアダプタ、歪んでいます。
使えないことはないけど、
状態の良いアダプタをレンズごとに用意して、
Mマウントレンズにして使うのが安全ですよ」

私が持参したインダスターを触ってみて、
「このレンズのヘリコイド、ほとんど完全にグリスが切れていますよ。
このまま使ったら、スクリューが壊れる危険があります」
その場でさっと分解して、清掃のうえ、グリスを塗っていただきました。
その手際の良さ、丁寧なことを横で拝見するのは、まさに目の喜び。
ソニーα7に付けたアダプタに挿入すると、
私の好みよりかなり軽く動きます。
そう言いますと、もう少し動きが重くなるグリスを塗ってから、
「さあ、どうですか?
これくらいなら、ちょうど良いんじゃないですか?」

ソニーα7に付けて触ってみて、眺めて見て、
かなり猛烈に感動してしまいました。
ぼろぼろのジャンク寸前だったインダスターが、
ピカピカに輝き、ヘリコイドの動きの完璧なまでの滑らかさ!
もうほとんど新品で、完全にオーバーホール完了。
「料金を払わないと、済まない感じですよ」
「今回は良いですよ。
お預かりして作業場に持ち込んでオーバーホールするときは、
料金をいただきますけど、
今日は暇だったから、ここでさっと済ませられましたから」
気持ちの良い人なのです。

松本さんに、中将姫光学さんからお借りしたと言いますと、
「えっ、中将姫光学さん、ご存じなんですか?
この店にもおいでになりますよ。
お仲間のKinoplasmatさんもKsmtさんも。
それにしても、この皆さん、
どうしてあんなに上品なのでしょうね。
それにすごい男前!
人間の出来がまるで違う、そんな感じですね」
この印象は、私もすでにブログで書いた言葉とそっくりそのまま同じ。
どうやら、松本さんと私は感じかたが一緒ですね。





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    [後書き]
      ラスト付近が、角館で3日間続けて通った喫茶店風景と、
      オーナーご夫妻。
      実にお似合いのカップルでした。
      こんな笑顔で生きたいものですね。
      巨大な珈琲カップをご覧下さい。
      この堂々たる存在感に負けないお味でした。
      なんだか、オーナーの人格が珈琲にさえ繁栄している感じ。
      また、行きたい!
by hologon158 | 2016-05-26 14:33 | ホロゴントラベル | Comments(0)