わが友ホロゴン・わが夢タンバール

4.9「2002年7月25日のアユタヤ」9 往時は金箔貼りの金キラキンでおられたようですが? 


前回書きました写真クラブは、
現在の写真クラブとはまったく性格が違います。
以前、写真は若者の趣味だったのです。
当時はこう考えられていました、
写真を巧くなるのは、徒弟奉公のようなものだ、
長年、営々と努力を重ねて、写真の奥義を究め、
最後に、ようやく自分の写真が撮れるようになる。
ところが、今や、写真は老人の趣味。
この老人たち、たいていは、職場で出世競争をしてきた方々。
そこで、写真にもそのノウハウを活用します。
一日でも早く、えらくなりたい。
プロを超すほどの腕前、名声を勝ち取りたい。
他の人の写真なんか見向きもしません。
これをお読みのあなた、
もし写真をしたいとお考えであれば、
けっして写真クラブ、写真教室に行ってはなりません。
一人で歩きましょう。
そして、どこかで、やっぱり一人まじめな眼差しで写真を撮っている人に出会ったら、
話しかけてみてください。
真剣に写真を撮りたいと感じられるようであれば、
そんな方と親交を結んでください。
後悔されることはないと思いますよ。

さて、どこの寺院だったか忘れました。
境内に奇妙な彫像群。
どこか中国的ですが、宇宙的でもあります。
タイ固有の文化とはちょっと違う宗派なのでしょうか?



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# by Hologon158 | 2008-08-11 00:23 | ホロゴンデイ | Comments(0)

4.8「2002年7月25日のアユタヤ」8 古都アユタヤに清浄の気が満ち満ちて


私は、南国宮崎に転勤になって、
はじめて、写真を本格的に始める決意をしました。
その二三年前、コンタックス139という一眼レフと、
スーパーイコンタ6×9という中型蛇腹カメラを手に入れていたのです。
写真クラブに入会しました。
メンバーは若いのがほとんどで約20人、
指導者は中学校の校長先生、昔風の先生で、非常に立派な人物で、
あたたかい人間性と見事な写真の技とで、
メンバーをしっかりと統率していました。
月1度、写真を持ち寄り、互選して、月例賞を決めるのです。
当時はほとんどのメンバーがモノクローム。
毎月、自分の写真がどのように評価されるか、
期待と不安とで胸をどきどきさせながら通ったものです。
年1回の写真展を開催することになりました。
これまでは、それぞれ思い思いの形で展示したとのこと。
私は、考えました。
折角グループ展をするのです、
全体で一つの作品となるようにして、はじめて迫力が出ます。
そうでないと、ただのばらばらの展示会にすぎません。
そこで、提案をしました。
同じフレームを使い、写真以外は完全に均質の見せ方をしませんか?
会長さんはじめ半信半疑の面持ちでしたが、
でも、有力な反対提案がないのですから、
こんなときには、積極的な意見が通るものです。
最初から、モノクロームに色は不要、白と黒で決めたい、
私はそう考えていました。
そこで、富士の白マット付きフレームを採用。
このマットはフレームより約5ミリばかり小さいので、
緑色のフレームの周囲が見えています。
このフレームをラッカーで黒に塗り替えました。
すると、黒枠によって、マットの白が強調され、
その中に見えている写真をしっかりと浮き上がらせてくれたのです。
ある晩、場所を借りて全員集合し、みんなで協力して、
このフレームを加工し、写真を収め、会場に展示しました。
黒枠白マットの全紙フレームが40枚ばかり整然と並んだ会場は、
新鮮で、迫力満点!
メンバーにも来場者にも好評でした。
翌年の写真展も同じ仕様で行ったことは言うまでもありません。
本ブログは、そんな初心をそのまま反映して、
黒地に白抜きで枠取られた写真を並べています。
このプレゼン、どうお感じでしょうか?

本日は、アユタヤの樹木と水。
古都アユタヤには清浄の気が満ちている、
そう感じさせる、すがすがしい蒼天。
モノクロームでなくても、
黒枠白抜きは効果的、そんな風に私は思うのですが…

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# by Hologon158 | 2008-08-10 21:09 | ホロゴンドラマ | Comments(0)

4.7「2002年7月25日のアユタヤ」7 仏の首から切り離された身体はどこに?


ファインダーをのぞく、
この行為をちょっと考えてみましょう。
ファインダーによって、撮影者は構図を確認し、
レンズ効果をチェックします。
ホロゴンの場合、
ファインダーをのぞいても、レンズ効果などチェックできません。
そうすると、構図なんかどうでもよくなったら、
もうファインダーをのぞく必要なんかなくなってしまいます。
構図なんかどうでもよい、
こう言いますと、ちょっと暴言に聞こえます。
ホロゴンの場合、ファインダーをのぞいても、
構図のチェックにはなりません。
視野の正確性がまず問題ですが、もっと問題が大きいのは、
15ミリの視覚効果はファインダー上まったく確認不能ということ。
ホロゴンのファインダーは大変にお金がかかっていると聞きます。
一説によると、レンズよりも高価とのこと。
でも、どんなにお金をかけても、
15ミリ120度の画角の映像を正確に再現することは無理。
というわけで、私のカメラの天辺で、
ファインダーは泣いている次第。

当然、今回の毀佛たち、
身体はあっても、頭はなし、
頭はあっても、身体はなし。
根佛は、身体はなくても、根っこにあたたかく包まれて、
至極満足そうでした。
首だけ、身体だけの仏様たちはどこか不満そうです。
根佛にほんのり感じられた安住者の誇りが感じられたのは、
気のせいでしょうか?
ホロゴンウルトラワイドは、3枚目の身体佛の立場でしょうか?

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# by Hologon158 | 2008-08-10 01:06 | ホロゴンデイ | Comments(0)

4.6「2002年7月25日のアユタヤ」6 少女は、仏の首に出会って、何を思ったか?


15ミリ一本で撮り続ける、
あなたは、そんな決意をすることができますか?
おそらく1000人中999人までが答えるでしょう、
「そんなこと、するはずがないじゃないですか!」
それなのに、私は、その決意をしてしまいました、
それもまことにすんなりと。
これまで使ったレンズの焦点距離をあげてみましょう。
15,21,25,28,35,38,40,48,50,55,58,60,65,73,75,
85,90,100,125,135,150,180,200,300,500
それなのに、選りに選って、
一番難しい15ミリを選ぶなんて!
でも、あれこれ悩んだわけではありません。
「召命」という言葉があります。
こちらから決意したのではなく、
向こうから、お呼びがかかるのです。
でも、やっぱり曲がりなりにも
いつしか「決意」をしていたことになります。
この決意、選択を一度も後悔したことはありません。
むしろ、ホロゴン15ミリF8と出会えたことを、
心から感謝する毎日。

さて、アユタヤでは、
かわいい少女が仏の首とおそらく初対面。
どんなことを感じたでしょうね?
後年、成長してから、思い出すことがあるでしょうか?
この子も今は10歳を超えているはず。
思春期にさしかかろうとする時期です、
あれこれ悩み始めている時期かも知れませんね。
そんなとき、この仏様がこの子をお守りくださるよう、
ここで、お願いしておきましょう。

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# by Hologon158 | 2008-08-09 22:14 | ホロゴンデイ | Comments(2)

4.5「2002年7月25日のアユタヤ」5 ガジュマルの根っこの迷路になぜ仏の首が?


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この仏の首、なぜここにあるのでしょうね?
私がタイ旅行を企画したのは、まさにこの首故でした。
最後の1枚をご覧ください。
仏の首は、まるでこの場所に生まれ出たかのよう!
回教徒によってアユタヤが陥落した際、
偶像として破壊されるのを怖れた仏教徒が地下に埋蔵したところ、
ガジュマルの根が伸びてきて、包んでしまった、
そんな風に説明されているようです。
おそらくそうなのかも知れません。
回教徒であれば、わざわざ埋めるなんてしなかったでしょうから。
でも、なんだか釈然としませんね。
根っこをマフラーのようにファッショナブルに着こなして、
まるでここにいるのが当然であるかのような風情で、
厳然と存在しているではありませんか?
私としては、神秘に包まれたまま、謎として残しておきたいですね。
私が撮影しているとき、タイ人の写真クラブがやってきました。
私が譲りますと、
5人ばかりで、代わる代わる、撮影していました。
一人、ニコンF3を使っている35歳ほどの男性がいました。
びっくりしました。
そのニコンボディは、私の生涯見たことがないほどに、
あばたのように荒れすさんでいたのです。
こんな風になるまで、何人の人が何年、どんな風に使ってきたのでしょう?
ニコンの強靱さを証明するエピソードと見るか?
そこまで使い込むタイ人写真家の執念を見るか?
いずれにせよ、並大抵のことではありませんね。
おしゃべりしたかったのですが、
私はタイ語ができず、
彼らは英語も日本語もできず。
あっさり別れました。
でも、彼のニコンはいつまでも私の記憶の中に残ることでしょう。
# by Hologon158 | 2008-08-09 13:29 | ホロゴンデイ | Comments(0)

4.4「2002年7月25日のアユタヤ」4 巨佛のかげには、小さな仏様もひっそり住まうのがアユタヤ


最初に断っておきますが、
私は、写真家でもなんでもありません。
ただの写真好き、
でも、その好き程度が尋常じゃない!
心から写真を愛し、美術を愛し、そのうえ、
カメラという人類が与えられた最高のメカニズムに夢中になってきました。
私は信じています、
人類は、火を発明し、言葉と字を発明し、
宗教を発明し、
哲学、数学などの学問を発明し、
音楽、美術などのアートを発明し、
20世紀には原子力とコンピューターを発明しました。
これらすべてが地球上の文化を支える原動力となっています。
でも、その陰で、19世紀は私たちにカメラを与えてくれたのです。
平凡な才能の持ち主がアートできるメカニズム!
とりわけディジタルカメラは、21世紀になって猛烈に進化し、
20世紀のカメラマンたちが悪戦苦闘したことを夢の又夢としてしまいました。
なにげなく撮っても、20世紀のカメラでは絶対に撮れないような
画質、映像で写真がばんばん撮れてしまう!
でも、と、20世紀人である私は踏みとどまります。
オーディオが、CDになって、
レコードがもっていたすべてのダイナミックな臨場感と、
とりわけフレーバーを喪失させてしまったように、
ディジタルカメラもまた、銀鉛カメラがもっていた、
実在感、空気感、臨場感、生気ある肌触りをすべて失わせてしまいました。
私は、写真家ではありませんが、
銀鉛カメラを使うことによって、
ディジタルカメラでは絶対に出せないような
味わいのある表現ができることを
このブログの中で証明したいのです。

アユタヤは、さわやかな午後でした。
巨佛のかげには、小さな仏様や人形がひっそりと、
でも、したたかに生きている、
それが古都の名残というものでしょうか?


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# by Hologon158 | 2008-08-09 10:43 | ホロゴンデイ | Comments(0)

4.3「2002年7月25日のアユタヤ」3 黄色い袈裟の巨佛が天空をバックにそそり立ち


15ミリを使うのは、実ははじめてではありませんでした。
随分前に、コンタックスRTSⅡを使っていた頃、
ディスタゴン15/3.5という巨大レンズを手に入れたことがありました。
径が確か87ミリ程もある半球状の巨大レンズ、
重さも900グラムほどはあったはず。
このレンズにもやはり魅せられて、中古品を手に入れたのです。
でも、ついに気に入った写真を撮ることはできませんでした。
まず、画像にシャープさがぜんぜんなかったのです。
開放では周辺が流れて、情けないほど鈍な印象、
F8に絞っても、立体感だけは増すけれど、
画像のゆるみはさほど改善されませんでした。
当時のトライXというフィルムにも問題があったのかも知れません。
ついに手放しましたが、私が売り買いしたレンズ、カメラの内、
このレンズだけが買値の倍で売れました。
これとき初めて思いました、
このレンズを手に入れて良かったな。
そんな体験があったので、
ホロゴン15ミリF8の撮影結果には、
実は、さほど大きな期待はしていなかったのです。
ところが、現像からあがってきた最初のポジを見て、
心底びっくりしました。
シャープでコントラストがよく、鮮鋭そのものなのに、
ぜんぜん硬くない。
リアリティがあるのに、
デモーニッシュ!
使い始めてから5年経ったアユタヤでも、
その印象はまったく変わりません。
覆っていた堂宇を失った石仏。
でも、頭上に頂く天空こそ入れ物にふさわしい、
そんな大きさを感じさせる仏様でした。

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# by Hologon158 | 2008-08-09 00:16 | ホロゴンデイ | Comments(2)

4.2「2002年7月25日のアユタヤ」2 アユタヤの廃寺はまるでブッダガヤのように静謐、清浄の空間でした


ホロゴンウルトラワイドというカメラをご覧になったことがありますか?
ある本で、1968年に1400台作られたと読んだことがあります。
真偽は不明ですが、大変に少量、しかもその年だけ。
つまり、売れなかったのです。
当然です。
当時、まだ広角レンズと言えば、35ミリがせいぜい。
もちろんすでに28ミリも21ミリもありましたが、
極めて特殊なレンズだと考えられていたようです。
そんな時代に、突然おじゃましますと入ってきたのが、
なんと超広角15ミリ。
これじゃ売れるわけがありません。
当時は、後ろに退けない狭い場所とか室内とかで撮るレンズ、
そう考えられていたようです。
でも、とにかく、ほとんど誰も使わなかったようです。
あんまり高価すぎたので、
アマチュアには手が出ないし、
プロには経費でまかなえない。
これじゃ誰も買いませんよね。
おかげで、急速にクラシックカメラのコレクターアイテムに昇格、
というよりか、祭り上げられてしまい、
以来今日まで、ホロゴン15ミリF8で撮られた作品など、
ほとんど誰も見たことがありません。
数年前、コンタックスの方から、日本の写真家では3人ばかり、
ホロゴンで作品を作っていると聞いたことがあります。
どんな作品を撮っておられるのでしょうか?
知りたいですね。
ご存知の方がおいででしたら、教えてください。
というわけで、ホロゴンウルトラワイドを手に入れてみたけども、
どう撮って良いのか、皆目見当がつかない日々でした。
私が打ち出した解決策は「超接近水平垂直撮影法」でした。
この撮影法については、また書きます。
簡単に言いますと、60センチ以内に接近して、すべてのものを撮る、
それだけ。
でも、アユタヤに来て、はたと困りました。
対象があまりにも大きなものばかり。
広大な寺院、廃墟、巨大なる仏陀!
今回は、私の解決策では間に合わない被写体との苦闘の写真を
3枚アップしてみました。
なにしろ写真の素人、
そのうえ、風景写真は好みじゃないので、ぜんぜん撮らない、
そんな人間がノーファインダーでどかんと撮るのですから、
まあ、この程度でお許しいただくより仕方がありませんね。

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# by Hologon158 | 2008-08-08 21:21 | ホロゴンデイ | Comments(0)

4.1「2002年7月25日のアユタヤ」1 黒犬は黒顔の日本人の黒カメラにちょっと興味をもったようで


私のブログにはじめておいでになった方にお伝えしておきます。
本ブログは、前身である楽天ブログ「ホロゴン讃歌」から引っ越してきました。
(http://plaza.rakuten.co.jp/ultrawide/)
引っ越しの理由は、「ホロゴン讃歌」を見ていただければ分かります。
そちらにも書きましたが、「ホロゴン讃歌」に掲載した写真の大半は、
ブログの記事からすでに消失してしまいました。
私としては、暇を見て、「ホロゴン讃歌」の記事も本ブログに
移住させたいと考えています。
私の五ヶ月間の営々たる努力の積み重ねが、
訪れるものもない終了ブログの中で朽ち果てるのはしのびないからです。
このブログの最後の記事は、「ホロゴンドラマ」と称するシリーズの
最新作「2002年7月のバンコク」でした。
本ブログでも、「ホロゴンドラマ」は各種企画していますが、
折角です、「バンコク」に続いて、
タイ有数の仏教聖地アユタヤを採り上げることにしましょう。
新しいブログを立ち上げるにあたり、
いわばこけら落とし公演を何にするか、ちょっと悩みました。
雨にうたれる廃村をテーマにしたドラマにしようか?
でも、新ブログを暗い写真たちで始めるのもどうかな?
一番明るく、一番光り輝いている写真から始めるのが、一番おめでたいのでは?
というような思案を経て、
「2002年7月25日のアユタヤ」と決定したのです。
ただし、これはホロゴンドラマではありません。
旧シリーズ「ある日のホロゴンと私」改め「ホロゴンデイ」シリーズとして。
理由は簡単。
7月25日、私はバンコクから列車でアユタヤに行き、
一日アユタヤを撮影して、そのままバンコクに帰ったのです。
つまり、その一日に撮った写真たちで一つの展示をまかなうのですから、
実際にはべらぼう、むぼうな企て。
当日のフィルムからスキャンした120枚からランダムに選択して、
ホロゴンと写真について、思いつくまま記した記事とともに、
見ていただこうと思います。
前ブログでも、私の駄弁にお付き合いしていただいた方は、
ほとんど一握りの奇特な方だけだったと推測しています。
本ブログでも、事情は変わりません。
文章は省略して、写真までスクロールして、ハイ、さよなら、
で、結構です。
お互い、遠慮なく、自由に遊ぶことにしましょう。
さて、「アユタヤ」の皮切りは、黒犬。
ワン君、別に私を見ているのではありません。
ホロゴンを見ているのです。
距離は60センチ。
私は動物好き、動物もそれが分かるらしく、
どこの国でも、お互い気兼ねなく付き合っています。
犬の顔を見たら、それが分かるでしょ?
笑っています。

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# by Hologon158 | 2008-08-08 18:34 | ホロゴンデイ | Comments(2)

3  ホロゴンに撮れないものはない! まず、そう信じることから出発した


昔、ローライ二眼レフの宣伝パンフレットにこう書いてあったそうです、
「被写体の60パーセントはローライで撮れます」
こういうのを殺し文句というのでしょう。
でも、よく考えますと、ローライに付いていたレンズは、
75ミリと80ミリ、いわば標準レンズです。
じゃ、当たり前じゃないですか?
ホロゴンを手に入れて、最初から、私はホロゴン一本で撮る、
それが夢であり、決意でありました。
そのために、私は心に決めたのです、
「ホロゴンに撮れないものはない」
でも、これはローライのキャッチフレーズとは実は意味が違います。
撮影に値するすべての情景の60パーセントは、ローライで撮れると、
ローライは、大まじめで保証したのです。
「被写体の100パーセントはホロゴンで撮れます」なんて、
私はぜんぜん言っていません。
そうではなくて、こう決めたのです。
「ホロゴンに撮れないものは、撮るに値しないことにしよう!」
今でも、でくわす光景の50パーセントは、ホロゴンでは撮れません。
でも、私は目を鍛えることにしたのです。
ホロゴンで撮りたくなるような光景だけを見つけることにしよう。
ホロゴンで撮れないような光景は見ないことにしよう。
このような方針を残念に思ったことは一度もありません。
理由な簡単!
どんな光景も、ホロゴンで撮ることで、
魅力的な空間に変身してしまうからです。
その一例を一つ。


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     [撮影メモ]
      山がちょうどフレームの中に収まっていますね。
      これ、私の仕業ではありません。
      私は、ファインダーをのぞかないから、フレームを決めることはできない。
      ホロゴンウルトラワイドの外付けファインダーは、
      たとえのぞいたとしても、
      四辺のフレームを厳密に決定できるような造りではない。
      私は、常に眼前数十センチ付近のポイントだけを見て、
      周辺どこまで写るかチェックすることなく、シャッターを落とします。
      120度の画角で、どこまで写るかなんて、誰に分かりますか?
      とにかく、あんたのホロゴンを信じなさい!
      そうすると、こんな風にちゃんと収めてくれるのです。
# by hologon158 | 2008-08-08 00:12 | ホロゴン異聞 | Comments(3)

2  ホロゴンのひそやかなシャッター音は、真摯な祈りの邪魔にはならなかった


ネパール
仏教都市ボーダナートの大ストゥーパを仰ぎながら祈る老女。
ストゥーパの広場に路地から出ようとして、
ちらりと左に見えたのがこのおばあさん。
すかさずおばあさんの腰約40センチのところに、
手にしたホロゴンをつきだして、
ノーファインダーでシャッターを切りました。
おばあさんはチベットの女性。
つまり、かわいそうに、ダライ・ラマとともに、
チベットからかつて出国を余儀なくされた亡命者なのです。
一日も早い故郷への帰還を願っているのでしょうか?
それとも、故郷に残してきた肉親の幸福を祈っているのでしょうか?


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   [撮影メモ]
     老女と壁面との距離は1メートルほどだったでしょうか?
     ホロゴン15ミリF8以外の超広角レンズであれば、
     壁と老女とは同じようにシャープに描出されたかもしれません。
     この写真を見ると、どのような画角のレンズでも、
     正しい位置で水平垂直に撮ると、
     映像的にはあまり変わりがないことが分かります。
     ただし、私の写真は正しい位置で撮られなかったようです。
     左上隅のビラが歪んでいます。
     この歪みがなければ、
     この写真が超広角で撮られたことを分かる方は少なかいかも知れませんね。
# by hologon158 | 2008-08-07 21:28 | ホロゴン撮影法 | Comments(0)

1 友を選ぶのなら、つきあえばつきあうほど味の出るのがよろしいようで

1997年6月、私は、稀代の名機と知り合いました。
ホロゴンウルトラワイドHologonUltraWide
西ドイツのツァイスが1968年に製作した超広角15ミリ専用機です。
「知り合った」とは?
大阪のクラシックカメラ店「カメラのマツバラ光機」のショーウィンドウに
このカメラを見つけたとき、レンズと私の目とが合ってしまったのです。
そのとき、このレンズ、ホロゴン15ミリF8がたしかにキラリと光った!
私はそう信じています。
焦点は固定(被写界深度60センチから無限大まで)、
絞りF8固定(露出計なし)、
明るさはシャッター速度で調節(500分の1秒まで)、
と、シンプルそのもののカメラです。
レンズが埋め込まれた本体、レンズの真上に大きな四角のファインダー、
ただそれだけのブラック・フェイス・ボディ!
かっこいいの、なんの!
ただちにカメラ、レンズをいくつか売り払い、長期ローンを組んで、入手。
ところが、使ってみて、最初のフィルムを見て、でんぐりがえりました。
ほとんどの写真、両側に、ソーセージのような指が写っていたのです。
指が写らないようにするために、極めて特殊な持ち方をしないといけない。
機構は簡単なのですが、使い方は極めて難しい。
ちょっとカメラが斜めになると、画像が歪んでしまう。
ちょっと離れると、どーんとシネマスコープ画面になってしまう。
画角は15ミリ、目の前の120度が写るのです。
つまり、全部写るのです。
この稀代に難しいレンズをどう使いこなすか?
これが私に与えられた課題でした。
それから丸12年、
私がわが友ホロゴンのためにとった解決策、そしてその結果、
それをこれから皆さんにお伝えすることにしましょう。

[撮影メモ]
飛鳥の斜面に大きく手を広げた荻。
秋です。
爽やかな風にそよいでいます。
ひとむらの荻の根元ふきんにホロゴンウルトラワイドを差し入れて、
レンズを上に向けて撮りました。
荻とホロゴンとの距離40センチばかり。

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# by hologon158 | 2008-08-07 18:34 | ホロゴンメッセージ | Comments(2)