わが友ホロゴン・わが夢タンバール

37.2 ホロゴンデイ15「2008年8月2日の伏見稲荷」2 にわかに建築家ガウディのことが気になって


近頃、にわかに建築家ガウディのことが気になって、
4冊、格好の関係書を取り寄せて、あれこれ読んだり見たり。
彼の建築した住宅建築を見て、驚きました。
まったく意表をつくほどに、異常に過激、過剰なデザイン。
たとえば、門の柵に、開閉のたびに関節が動く、
かっと牙をむき出したドラゴンを配する、
こんなことを日本人建築家がするでしょうか?
しても、下品になってしまって、とても見られたものじゃありません。
ところが、見事さまになって、これ以外には考えにくいほどに収まっている。
アパート建築の正面デザインも流線型で、
ところどころに配された鉄の手すりは一口では言い表せない複雑な形状。
四角四面なところなど、毛ほども見つかりません。
不定形の流体美学。
同じラテン系といってもいいでしょうか、
ノーベル賞作家のガルシア・マルケスの「百年の孤独」を思い出しました。
豊穣を通り越して、なにもかも異常なほどに過剰。
神話的なほどに、人間離れした人間たちの愛憎の変転極まりないサガ。
でも、読んでいて、まったく違和感がないのです。
これしかないと言いたくなるほどに、バランスが取れています。
これが東西さまざまな民族文化の混交の中から生まれたラテン文化の特質なのかも知れません。
そこで、こんなラテン系の美学と対比して考えて見ますと、
日本文化って、あまりにも中庸すぎて、平坦で、
デモーニッシュな毒とかトゲとか翳りなんてものが少なすぎるのではないでしょうか?
その日本文化の中で育った私も同様!
和をもって尊し、よい子のみなさん、右へならえ!
と常に教えられて出来上がった、横並び的人間性が、ここでは逆に作用して、
写真をまさに退屈なものにしてしまっているような感じがします。
お前自身が退屈な人間だから、写真も退屈なのだ、
文化に責任を転嫁しちゃ駄目、そういわれそうですね。
そうかもしれませんね。
自分の写真たち、心から愛してはいるのですが、
ずらりと並べてみて、
つくづく「お前たち、平凡だね」とつぶやく私なのであります。

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by Hologon158 | 2008-10-28 00:07 | Comments(4)
Commented by keena at 2008-10-28 11:42 x
おはようございます。
私は、稲荷が大好きです。
写真のアップ、すっごく楽しみです♪♪
Commented by Hologon158 at 2008-10-28 15:28
re)keenaさん
そういえば、keenaさん、地元でしたね。
私も大好きで、何度も何度も通っています。
でも、その都度、初めて来たかのような気持ちで撮ります。
今回の写真、やっぱりホロゴンのノーファインダー撮影一本やり。
気に入って頂ければ、よいのですが。
Commented by andoodesign at 2008-10-28 18:13
僕もガウディ、大好きです!
学生時代にはバックパックでバルセロナに在るガウディ建築を巡礼したこともありますよ〜。

過去にミラノで「自分の価値観をさらけ出す機会(?)」が何度かありました。
毎回「自分が持っている(日本人としての)感覚を信じなければ、そこに立つ意味は無い...。」と痛感しました。
僕はそもそも「右へならえ」的な性格ではないので説得力が無いですが、日本人(東洋人?)の血、文化、体質、感覚、諸々すべて前向きに活かすべきだと思ってます。
過剰な行動を好まない文化、しかし、そこにある「間合い」には絶妙な「美学」あります。
(日本人の多くは西洋の文化を後追いし過ぎて日本人であることを忘れてしまっています。)

まあ、これだけ情報が溢れた世界。個性は個人に委ねられて行くとは思いますが...
Commented by Hologon158 at 2008-10-28 22:37
re)andoodesignさん
おっしゃるとおりなのですが、私も「右にならいたくない性格」
そのうえ、「間をとる」ことが実に難しい人間なのです。
というより、間をとることができない人間、間がない人間。
私のホロゴン写真をご覧になったら、それがよくご理解いただけることと思います。
ガウディにも、独特の間合いがあるようですが、この辺りは私の理解を超えています。
むしろガウディの過剰なまでの充満が私にはぐっと来るのです。
それにしても、ガウディ詣でをなさったとは、羨ましい限り。
私はマドリードとトレドしか行ったことがないのです。
いつか引退したら、ホロゴンをもってスペインを回りたいと思っています。
ラテン、アラビアいずれも充満を好む文化が相乗効果をもたらしたのがスペイン文化、
そんなスペインに似合うレンズはホロゴン、これに限る、そう私はひそかに考えているのです。