わが友ホロゴン・わが夢タンバール

38.11ホロゴンデイ16「2005年12月3日の京大界隈」11 照準線とは自分の持っている夢?


カルティエ=ブレッソンが語った、あの「照準線」という言葉は、
多くの写真家たちに驚きととまどいを与えたようです。
一体、照準線とはなんだ?
マグナムの写真家マルク・リブーはとっても素敵な答えを見つけました、
照準線とは自分の持っている夢だというのです。
子供の頃のあの発見の歓びをもう一度自分のものにすること、
目の前のものを、初めて見たかのように驚きと歓びを持って見ること!
この言葉の裏にあるのは、
人は、自分の心の中に夢を持たない限り、
自分の撮りたい写真を撮ることはできないということでしょうか?
目の前にある光景を見ているのに、
私たちは、その光景を通して、自分の夢を見ているのです。
その現実の光景を撮ることによって、
自分の夢を写真にするのです。
私はいつも、目の前のものたちを撮っています。
でも、ものたちをものそのものとして撮るのではなくて、
私の心からあふれ出てくる夢の住民をその写真の中にとらえたい。
だから、具体的な観念としてその夢を考えることはしたくないのです。
夢は、とらえようとすると、逃げてゆくもの、
しっかりと見つめようとすると、目覚めてしまうものです。
だから、できるだけ夢にきづかれないように、
いわば横目でちらりと眺めるだけで、
すばやく写真を撮る。
すると、私の投げた網のなかに、なにかが捕まっているかも知れない。
そんな風に考えますと、
私は、自分のやっていることがすこし分かったような気がします。
私は、どんなに通い慣れた場所であっても、
いつも、はじめて地球に下り立った火星人のような気持ちで撮ろうと考えてきました。
ホロゴンは、いわば地引き網。
私は、その網の中になにがかかろうとも、
全部自分で引き受けてしまおう、そんな気持ちでいるのです。

38.11ホロゴンデイ16「2005年12月3日の京大界隈」11 照準線とは自分の持っている夢?_c0168172_21381066.jpg
38.11ホロゴンデイ16「2005年12月3日の京大界隈」11 照準線とは自分の持っている夢?_c0168172_21383068.jpg
38.11ホロゴンデイ16「2005年12月3日の京大界隈」11 照準線とは自分の持っている夢?_c0168172_21384513.jpg

by Hologon158 | 2008-11-04 21:54 | ホロゴンデイ | Comments(0)