わが友ホロゴン・わが夢タンバール

39.38 ホロゴン写真展2「2003年夏のネパール」38 真紅のマントに身を包んで戦場に

39.38 ホロゴン写真展2「2003年夏のネパール」38 真紅のマントに身を包んで戦場に_c0168172_15292856.jpg

前回描きました李郭派水墨画展には、彩色画が数枚出展されていました。
はっきり言って、窮屈で面白くない!
色を押しつけられる、そんな感じなのです。
水墨画だと、観るものが自由にその色彩を想像できます。
これが楽しいわけです。
ところが、画家がしゃしゃり出てきて、「これ、赤ですよ」
うるさい!
自由な想像力の羽根はしょんぼりとしぼんでしまうじゃないですか。
モノクローム本来の水墨画を見ていますと、
その清々しさに心が洗われるような気分になります。
確かに色はないのですが、
心が自由自在に働いて、実在感を膨らませ、
その山水を心にしっとりとなじませてくれます。
でも、実際になんらかの色を山水に付けてゆくわけではありません。
色なんかいらない状態に心を整えてくれる、そんな感じ。
水墨画を発明した中国人の独創性に脱帽です。
でも、私のように、心が赤に自動的に反応してしまう人間には、
赤そのものをしっかりと写真に表したいという気持ちが強烈。
とてもモノクロームに戻ることができない、大きな理由がそこにあります。
たとえば、今回のカトマンズの通勤風景。
この赤、素敵ではありませんか!
古典ギリシア時代、最強をうたわれたスパルタ軍、
真紅のマントに身を包んで戦場に繰り出したと言います。
敵兵が遠望すれば、
巨大な血潮が戦場にうねるようにして浸透してくると見えて、
おびえてしまったことでしょう。
でも、スパルタ人自身も、
密集陣形(ファランクス)の中にいて、
あたり一面真紅に染まるのを見て、
今日も楽勝じゃあと意気軒昂に奮い立ったことは間違いありません。
カトマンズのオフィスレディもこんな強烈な色彩に包まれて出勤するのです。
気分は赤く燃え上がって当然。
みんな活き活きしているじゃありませんか!
by Hologon158 | 2008-11-17 15:32 | ホロゴン写真展 | Comments(2)
Commented by yoshipass at 2008-11-17 21:07
この写真も光ですね!
この光で紅いマントが、より際立っていますが、
しかも、やわらかい描写になっています。
すばらしいです。
Commented by Hologon158 at 2008-11-17 22:52
re)yoshiさん
朝の7時頃でしたでしょうか?
夜の内に降った雨でぬかるみになっています。
でも、彼らは平気。
無関係な2人のようですが、揃って脚を踏み出した瞬間が偶然撮れました。
この柔和な光がホロゴンの持ち味ですね。