47.04タンバールアワー2「2008年12月30日鹿野園」4 ロマンチックであるが故に、真実である!
思い出しました、若い頃見た夢です。
中国式の丸窓、朱の柱の邸館の奥まった一室、
全体は、細密画のように緻密な作りがすばらしくリアル!
それなのに、嫋々たる情緒が部屋全体に満ち、
その中心に、ベールのような薄物を身にまとった、
匂うように美しい肌、宝玉のような美貌の女性がベッドに腰掛けています。
ただ、それだけ。
でも、おそらく一生忘れないでしょう。
夢の意味も、夢をこうして記憶している理由も不明。
ただ、脳裏に焼き付いているこの女性の容姿は、
まさにタンバールで撮影したかのような、
名状しがたいフレアーに包まれていたことを、今、思い出したのです。
もしかすると、この夢を映像として再現したいために、
タンバールを手に入れたのかも知れません。
つまり、遠い昔の夢が、今、夢レンズを手に入れる原動力となった!
こんな風に考えると、遠大でロマンチックじゃないですか!
現代では、ロマンチシズムはまったくはやらなくなりました。
ロマンチックな行動をする人間がまずいなくなり、
現代そのものが、かつての人間の理想から隔たることほど遠く、
コンピューターグラフィックスが横行し、人間疎外の世界になりつつあります。
本能と欲望のその日暮らしの世界なんて、あまりにも淋しいではありませんか?
そんな現代で、こんな風にロマンチックに考えてみる。
なんて時代錯誤的な発想でしょうね。
だからこそ、私は信じたいのです。
ロマンチックであるが故に、真実である。
このように考えますと、
私は、タンバール写真の理想をすでにもっていたのです。
by Hologon158
| 2009-01-12 17:22
| タンバールアワー
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