わが友ホロゴン・わが夢タンバール

49.10 ホロゴンデイ20「2008年10月5日羅漢さん」10 身分不相応な高価なカメラを欲しがる?


友人RAさんが土門拳の「写真作法」の引用を沢山抜き出して、送ってくれました。
その中に面白い指摘がありました。
「カメラ・ブームと呼ばれる現象の中で、
一番困ったことは、みんながみんな、
身分不相応な高価なカメラを欲しがることだ」
この「身分不相応」という言葉、久しぶりに見ましたね。
今時、こんな言葉を実感として使える人は少ないのではないでしょうか?
でも、当時としても「身分不相応」なとはどういう意味だったのでしょうね?
土門さんご自身は、わざわざ「一番高いM3を使っている」と断っておられるのですから、
土門さんにとって、M3は身分相応なのでしょうね。
結局、言いたいことは2つ、
経済的能力を超えて、無理して高いカメラを求める。
自分の写真能力、才能、技術程度を越えて、不必要な高機能のカメラを求める。
土門さん、私の存在を知ったら、このどちらの面でも落第と決めつけたことでしょう。
RAさんは、この引用のあと、こうコメントしています。
「これを言われると、痛烈にこたえますわ。気がつけば、70本近くもレンズを持っている。今すぐに処分は難しいですが、徐々に委託に出します」
RAさん、いつもこの言葉をおっしゃっているので、
文字どおり真に受けてはいけません。
レンズが好きで好きでたまらないのですから、整理の道はほど遠いのです。
RAさんの問題点は、各種カメラ、各種レンズをたまに使っても見事使いこなせること。
これは呪いでですね。
実は、RAさんには最適のレンズがあります。
アストロ・ベルリンのパンタッカー50mmF2.3(Mさんによるライカマウント改造版)。
RAさんがこれを使って撮ると、怪しいまでに深遠な雰囲気の写真ができあがるのです。
だから、いつもRAさんにお願いしているのです。
「レンズ一本に絞るのは無理としても、
せめて数本に絞り、しかもパンタッカーをメインに使ってください。
きっと凄い写真世界が拡がりますよ」
なぜそうなのか、その理由が分かりません。
でも、どうやらRAさんの心とレンズとがぴたり適合しているという感じなのです。
ブログを拝見しても、ほとんどの方が数知れないカメラ、レンズを駆使して居られます。
どうやら現代のレンズって、さほど個体差がないようです。
だから、使いこなせるのかも知れません。
今、私は、ホロゴンとローライ3.5Eとを組み合わせようと四苦八苦していますが、
色再現に大変な差があるので、この試みはちょっと成功の見込みなしですね。
やっぱり、レンズ一本で撮れという、天のお達しでしょうか?
ホロゴンウルトラワイドが身分不相応であることは隠しようがないのですが、
そうそしられないように、がんばらなくちゃ!

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by Hologon158 | 2009-01-30 21:49 | ホロゴンデイ | Comments(4)
Commented by yoshipass at 2009-01-30 23:02
ここのところの羅漢さんの写真、レンズの違いはもちろんですが、
光の当たり方、とらえ方で全く表情が変わって面白いです。
参考になります!
Commented by Hologon158 at 2009-01-30 23:11
re)yoshiさん
光のつかまえ方で、私なんか足下にも及ばないyoshiさんからそんな風に言っていただきますと、
うれしいような、居心地の悪いような!
羅漢さんは鬱蒼とした森の中なので、たいへんに暗いのです。
すべて開放で、柵ごしですが、寄れるだけ寄って、とにかく撮るという状態。
光のことなど、考える暇なしでした。
でも、さすがにプラナー75mmF3.5は名レンズなのです。
ちゃんとシャドウを出してくれます。
そのおかげで、一応、羅漢さんの表情が見える状態になってくれました。
Commented by kinoplasmat at 2009-01-30 23:55 x
他人に迷惑をかけることさえなければ、この世の中に「身分不相応」などというものはないと思っています。従って私は土門のこの言葉は全く僭越な言葉(何様?)だと思いますし、彼の写真は全く個人的には評価していません。自分自身がそれで満足し、それがどのような形にせよ、自身の肥やしになるのであれば、すべてのものが相応だと思っています。
Commented by Hologon158 at 2009-01-31 22:38
re)kinoplasmatさん
kinoplasmatさんがそんな風におっしゃるだろうなということは予想していました。
でも、kinoplasmatさんの場合、作例を拝見するにつけ、
どのレンズもどのレンズも、とにかく見事に使いこなしておられます。
まさに身分相応!
私の場合、ホロゴンでアップアップしているのに、そのうえ、タンバール!
やっぱりちょっとやり過ぎだなと、自分でも少し反省しているのですが、
もう止まりません!
kinoplasmatさんの最後の言葉、嬉しい至言です。
そう考えて、タンバールを堂々と楽しむことにします。
ところで、タンバール、ほんとに難しいね。
それだけ、これからの楽しみが大きい、そう考えることにしています。