わが友ホロゴン・わが夢タンバール

49.25 ホロゴンデイ20「2008年10月5日羅漢さん」25 お茶漬け写真は我が家の味


二度にわたり、さんざん人の写真を毒づいてしまったので、
私は、今度は、自分の写真を弁護する必要がありそうですね。
私は、上に立って、写真を大上段にぶった切ったのではありません。
土俵の外、外野席で、写真界を眺めて、私とは無関係だと判断したまでなのです。
自分の写真と毎日毎日付き合っていると、だんだんとわかってきたことが一つあります。
結局、私は、自分の心の中にあるものしか撮っていない!
どんな場所に行っても、どんな状況にあっても、
私がシャッターを落とす気持ちになるのは、
私が、心に受け入れることができるものに向かい合ったときだけ。
これが風景写真家なら、もっと違った行動をとるかも知れません。
まさに超越的な絶景を求め、圧倒的な美をレンズに収めようとするでしょう。
それこそ、アマチュア写真家のお仕事。
私はそんなことをしたいとは思わないのです。
路傍に見捨てられ、それでもなお輝くものたち、
誰も見向きもしないけど、向こうからそっとこちらをうかがって、
私が見つめた瞬間、かすかに、ほんのかすかにウィンクしてくれるものたち、
もう完全に役立たずになっているのに、
いや、それだからこそ、
この世での存在を最後に誇示しようとするかのように、
内からにじみ出てくる、渋い存在感をまぎれもなく漂わせているがらくたども、
こんなものたちを撮りたい。
実際、これまで撮り続けてきたのですが、
どうやら撮る度に、そんな野郎どもが私の心の中に引っ越してくるです。
そんな野郎ども、仲間を見つけるたびに、私の心のなかでどよめくのです。
たいていの方は、私の写真に、どうしようもないマンネリのにおいをかぎつけておられるはず。
私もちゃんと気づいているのです。
でも、改めたい、克服したいとは思わない。
むしろマンネリになっているのであれば、
もっともっと徹底的にマンネリをきわめてやろうじゃないか、
そういう気持ちになっています。
私の仲間たちもほとんど例外なく、異口同音にこう言います、
「以前の写真の方がずっとよかった!
また、前のような写真を撮って欲しいな」
私は、そう言われるたびに、心の中でにんまりするのです。
「とんでもない、この大いなるマンネリまで持ち込むのに、
どれだけ苦労したことか!」
私だって、びっくりする能力、欲求をちゃんと保っています。
だから、アマチュア写真家の写真こそ楽しめませんが、
お気に入りブログを毎日遍歴して、
ブログで写真を楽しむ皆さんの驚異的な作品群に圧倒され、
すごいなあ、がんばっているな、才能がぜんぜん違うなあ!
その後、自分のブログに戻ってきて、
なんの変哲もない路地裏写真たちを眺めて、つぶやくのです、
「ああ、家に帰ったなあ、
お茶漬けみたいなもんだけど、
ぼくの写真なんだから、心が安まるなあ」

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by Hologon158 | 2009-02-04 22:04 | ホロゴンデイ | Comments(0)