わが友ホロゴン・わが夢タンバール

50.06タンバールアワー3「2009年1月23日生駒の夜」6 「私は光で書く」


アンドレ・ケルテスという大写真家がいます。
「私は光で書く」
彼の言葉は、彼の写真の本質そのものをたった一つの言葉で言い当てています。
35ミリカメラの草分けの一人。
1927年に手に入れたのですから、カルティエ=ブレッソンよりも先輩。
カルティエ=ブレッソンにかなり影響を与えたと言われています。
1925年パリに移り、翌年撮った女性写真が傑作。
おそらく四×五判か中判のボックスカメラで撮ったものです。
室内の片隅に置かれたソファーの上に、
黒いサテン風のパーティドレスの女性が寝そべっています。
白い四肢を回転するように折り曲げながら拡げていて、
ソファーの左に置かれた石膏の男性ヌードの形を反復しています。
右側の壁には女性ヌードの石膏風の半浮き彫りの額。
この像に、手はありません。
そして、ソファーの向こうの壁、ほぼ中央に高く白い紙が貼られています。
女性の白い四肢、石膏の白い肌、白い紙がぐるっと円形を描いています。
まるで、カルティエ=ブレッソンの「サンラザール駅裏」を先取りするように、
反復するリズムを組み合わせて、爽やかな音楽を作りだしています。
「サンラザール駅裏」はカルティエ=ブレッソンには珍しく演出なので、
ひょっとしたら、ケルテスの影響があるかも知れません。
ただし、これは私だけの解釈。
ケルテスのプリントの質感がまた素晴らしいのです。
すべてにふんわりとフレアーが掛かり、上質の絹のようななめらか。
タンバールが作られる前なのですが、
もうこれ以上はないと思えるくらいに美しいソフト効果。
ケルテスは、まさに光でアートを書き出したのです。
近江八幡で、私はタンバールをF3.2から4.5に絞って撮ったことは書きました。
ケルテスのような美しく、でもさりげないフレアーがかかればよいのですが…
今回は、タンバールにソフトフィルターを付けた状態での開放写真。
もうボケボケですね。
でも、私はこの古色蒼然とした色調に心を奪われてしまいそうです。

c0168172_11501036.jpg
c0168172_11492254.jpg
c0168172_11493229.jpg

by Hologon158 | 2009-02-08 11:57 | Comments(0)