わが友ホロゴン・わが夢タンバール

50.11タンバールアワー3「2009年1月23日生駒の夜」11 場所やモノのささやきが聞こえてくるような気が


近ごろ活躍が目立つ女性写真家たちのこと、
白状しますが、実はちょっと侮っていたところがありました。
若くして名声を得て、木村伊兵衛賞までもらう。
頂点を極めるにはあまりに若すぎるじゃないか、そう感じていたのです。
でも、次第に認識を改めつつあります。
それなりに努力をしていますし、
才能もあることが分かってきたからですが、
まず、みなさん、しっかりと地に着いた考え方をしているようです。
その最先端に蜷川実花さんがいます。
「彼女たち」の中で、こう語っているのです、
「いったんカメラを持って出かけると、
いつもの道で急にいろんなものが見えてくる。
スイッチが入って、ぐっと視野が広くなる感じです。
場所やモノのささやきが聞こえてくるような気がするんですよ。
世界はこんなにきれいだったのかと、心から思えたりします。
ものすごくハイパーな状態になるので、逆に言えば、
いつもカメラを持ち歩くことって、私には不可能なんです」
この言葉を読んで、驚きました。
私自身が感じていること、いつもこのブログでも書いていることと、
ぴったり一致するのですから。
なんだ、プロでも、こんな気持ちで撮るのか!
こんな風に思っているのは、私のような素人だけだと思っていたのに。
太陽レクチャー・ブックの「フォトグラファーの仕事」では、
彼女が銀塩しか使わないことを知り、さらに好感度が増しました。
その理由がまた私の心にかないました、
「ネガだと、撮ってて、どんなふうになっているかわかんないじゃないですか。
で、余計に撮ったり、すごく盛り上がって、
集中して息を止めながら撮っていることってあるんですけれど」
写真集「Acid Bloom」に50点を収めたのですが、
そのために撮ったのはなんと700本以上。
半端な気持ちでは、仕事をしていないのです。
まさにプロ!
「たとえば、デジタルだったら、
いいの撮れたって言ったら、終わりじゃないですか。
ネガだと、自分で思ってもいないことを飛び越える瞬間っていうのがあって、
偶然なんですけど、そういうことってすごく重要、
私にとって気持ち的なことが多いかな」
私のような素人が、自分に似ていると言っても、
蜷川さんは喜ばないでしょうね。
でも、私は嬉しい。
彼女の言葉すべてが、私の心にぴったり来る!
これはカルティエ=ブレッソン以外にはなかったことなのですから。

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by Hologon158 | 2009-02-09 18:22 | タンバールアワー | Comments(4)
Commented by yoshipass at 2009-02-09 22:58
このあたり、タンバール写真冴えまくりですね!!!
ボクの勝手な感覚ですが、ラルティーグの記事あたりから、
特にです。
ところで、ラルティーグ、断片的には見て知ってはいますが、
写真集を持っていません。
欲しいと思っているのですが、推薦はありますか?

Commented by Hologon158 at 2009-02-09 23:10
re)yoshiさん
ありがとうございます。
私は今タンバールで夢を見ているのです。
今、近江八幡の5本だけ、順番抜かしで現像してしまい、スキャン中。
さらに夢は深まるばかりです。
ホロゴンとタンバール、どちらも汲めどもつきぬ泉ですよ。
もちろんエルマリート28/2.8も!
ラルティーグの写真集としては、朝日新聞社1995年刊行「生誕100年ラルティーグ写真展」図録が実に素敵なプリント。
「日本の古本屋」で検索してみてください。
一発で出てきます。1500円と格安。
夢の写真集ですよ。
Commented by yoshipass at 2009-02-09 23:45
有難うござます。
早速、頼みました(^^)
Commented by Hologon158 at 2009-02-10 00:34
re)yoshiさん
私の大好きな作品をあげてみたくなりました。
60,64,80,114,133,142,152,154,162,186
みんな、心豊か、懐も豊か、そして情感も豊かな人だけが撮れる上品な作品。
他にちょっと類例がないほどに、気品のある作品群。
私は、この本を開くたびに、ため息をついてしまうのです。
私の中では、カルティエ=ブレッソン、木村伊兵衛と並ぶ存在なのです。
彼のことは、書き足りないので、また詳しく書くことにします。