わが友ホロゴン・わが夢タンバール

51.21ホロゴンドラマ3「2008年11月10日長崎三日目」21 名剣を手に入れるような感じ


andoodesignさんがご自分のブログに、ハッセルSWCのことをこうお書きになっていました、
「人類が初めて宇宙を撮ったカメラと同型のモデルを使っていると想うと夢がふくらみます」
読んだ瞬間、はたと膝を打ちました(膝は机の下なので、心の中で)。
私はさっそくコメントを書かせていただきました、
「歴史的なカメラを使うとき、
自分も時の流れにカメラとともに加わるという厳粛な気持ちがするものです。
いわば、名剣を手に入れるような感じ。
そんな気持ちで撮るから、特別な思い入れが写真に刻み込まれる、
私はそう信じています。
デジタルカメラにはそのような思いをすることはできません。
だから、少なくとも私の道具にはなりえない、私はそう信じています。
andoodesignさんも同じ思いのはず。
夢のカメラ、それですよ!」
No.19で私が書いたことも、この気持ちからでした。
木村伊兵衛がタンバールであの素敵な写真たちを撮った!
「N夫人」の気品を表現できたのも、
「沖縄の芸者」の清楚で爽やかな若さを写し止めたのも、
タンバールだった!
ホロゴンの場合、これを使って名作をものした大写真家はいないので、
(どなたかご存知なら、教えてください)
15ミリという超広角レンズだけを付けた史上ただ一つのカメラを使うという歓び。
ライカレンズのすべてについてもそれが言えます。
たとえば、ニッケルエルマー50mmF3.5。
カルティエ=ブレッソンが最初に使ったのは、これに違いない!
そう考えただけで、このレンズをカメラに付けると、身が引き締まります。
こんなことを書くと、またお叱りを受けそうです、
素人がなにを言うか、えらそうなことを!
とんでもありません、素人だから、言えることなのです。
プロだと、木村伊兵衛もカルティエ=ブレッソンも乗り越えるべき山、
時間を超えて張り合うライバルなのかも知れません。
すくなくとも、専門家としての見地から、あれこれ文句も出てくることでしょう。
素人は、偉大な先達を単純に崇敬し、愛慕することができます。
タンバールを使い、ニッケルエルマーを使うことで、
大写真家に、一人ひそかにオマージュを捧げる、
ちょっと素敵な遊びじゃないですか?

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by Hologon158 | 2009-02-17 11:37 | ホロゴンドラマ | Comments(2)
Commented by andoodesign at 2009-02-17 20:49
ご紹介頂きありがとうございます。
僕の場合、かなり自己完結している状態なので共感して頂けると救われます。

3枚目、素晴らしい視点。
階段のエッジを白くペイントしているのは視認性を高めて安全を確保するためでしょうね。
本来の目的とは別の視点で見ると、ドーローイングとして空間にアクセントを添えているところ、Hologon158さんじゃなければ気付かないと思います。
Commented by Hologon158 at 2009-02-18 16:02
どういたしまして。
私の場合、自己完結どころか、
絶海の孤島のような写真を撮っている人間ですので、
5本の指で数えても余るほどの方だけが共感して頂ける状態。
そんな私が共感するということは、あまりandoodesignさんの立場を強化することにはならないですね。
3枚目は、だんだんと暗くなると、長崎の階段の白線だけが目立つようになります。
最初は、これは見苦しいなと思っていたのですが、
上から眺めると、以外と面白い。
かなり同種の写真を撮っています(というより、不可避的)。