わが友ホロゴン・わが夢タンバール

57.35 ホロゴン外傳8「イギリス総集編」35 音符の一つ一つがひらひらと輝きながら

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夕方近くのエクゼター寺院。
信仰心のない人間でも、教会に入ると、
なんだか敬虔な気持ちになり、
どこかほっと一息つけるのが嬉しいですね。
人生のテンポをちょっとずらして、
余裕をもって、まわりを見わたせるといった心境でしょうか?
この大寺院で、忘れられない経験をしました。
入ってすぐ、バッハの「トッカータとフーガニ短調」が始まったのです。
かなりのオルガニストなのでしょう。
壮麗にして荘厳、壮大にして厳粛に音楽が紡ぎ出されて、
まったく危なげのない演奏でした。
信仰のしからしめるところでしょうか?
高音部がなめらかなパッセージを描きだすところがあります。
その音符の一つ一つがひらひらと輝きながら、
寺院の天井というより、天の高みに向かって上ってゆく、
その残響音の長さと厳かさ!
カテドラルにおけるバッハのオルガン演奏以上に、
天国を表現できるものはないのではないでしょうか?
エクゼターのバッハを思い出し、
今は亡き友を想い出しますと、
浄瑠璃の熊谷陣屋の段ではありませんが、
小さくつぶやいてしまうのです、

15年は一昔、
ああ、夢だったなあ…
by Hologon158 | 2009-03-27 20:56 | ホロゴン外傳 | Comments(0)