わが友ホロゴン・わが夢タンバール

60.29 ホロゴンドラマ6「和歌山の旅① 勝浦」29 身体を覆うベールがふんわりと


ボッティチェリに「豊饒」もしくは「秋」と題される素描があります。
彩色画となると、ボッティチェリはときに生硬になることがあります。
でも、この素描の匂うような美しさはどうでしょう!
子どもたちを引き連れて歩む若い女性。
母親には見えません。
透明なベールごしに裸体が透けて見えるのです。
それに、幼児ばかり少なくとも5人はいるのです。
「豊饒」は、子だくさんという意味ではなく、
逆に、沢山の子どもたちが、豊饒の女神を寓意しているように思われます。
身体を覆うベールがふんわりと広がることによって、
女神が軽やかに歩を進める姿が生き生きと浮かび上がってきます。
線画だけではなさそうで、どうやら水彩のような色づけがあるのですが、
それにしても、ほとんど線画でこれだけの生命感、動感を表現できる!
ボッティチェリは、ダ・ビンチにも匹敵する素描の天才だったのではないでしょうか?

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by Hologon158 | 2009-04-08 23:23 | ホロゴンドラマ | Comments(0)