わが友ホロゴン・わが夢タンバール

62.08ホロゴンドラマ7「和歌山の旅③ 廃校の冬」8 もうすでにミステリーは始まっていた


小便小僧を撮り終わって、玄関から入ろうとすると、
出てきたAHさんとばったり。
「なか、こわいよ!」
入ってみて、なるほど。
玄関から教室に続く廊下の真ん中に、真っ白な掛け布団。
照明などなく、廊下そのものは雨天の弱い外光でぼんやりと見える程度、
そのど真ん中に、白くぼおーっと浮かび上がるそれは幽霊のよう。
おそらく宿直用の布団ですが、なんでこんなところに?
もうすでにミステリーは始まっていた!
小学校の不当な廃校をいきどおるなにものかが、抗議の意味で置いた?
逃亡者が一泊することにしたけど、宿直室の湿気とそれ以上に怖い怨念の霊気におびえて、
廊下に布団を持ち出して、広々とした廊下を寝室にした?
それとも、誰か写真家が怨念の気配を演出するために、わざわざ置いた?
いずれにせよ、回答不能の問題に頭を悩ますのはやめましょう。
私、興奮が巻き起こり、AHさんに、
「うわー、これはおもしろい! 建物全部撮りまくりましょう!」
こんな場所はもとよりどこで撮るときも、
なにも動かさず、なにも加えず、これが鉄則です。
つまり、土門拳さんじゃありませんが、非演出が鉄則。
ひたすら出会うものをそっくりそのまま写真に収めることにしています。
私の友人の話しです。
飛鳥に曼珠沙華を撮りに行って、谷川の土手に見事な曼珠沙華一輪を見つけました。
三脚を据えて、谷川を背景に見事な構図で一枚撮りました。
次の瞬間、風もないのに、曼珠沙華はぱたりと倒れたのです。
先客が折りとってきて、構図を演出したというわけです。
私は写真家が演出をすることを否定しません。
写真家の作品のおそらく大半はなんらかの形で演出されたものです。
アマチュア写真家たちが盛んに演出してコンテストに応募されるのはご勝手に。
でも、私は写真家じゃないので、正真正銘の出会いを記録したい。
そんな私にとって、演出など論外。

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by Hologon158 | 2009-04-14 18:45 | ホロゴンドラマ | Comments(0)