わが友ホロゴン・わが夢タンバール

71.24 ホロゴンドラマ10「2005年3月の南紀は毎日晴だった」24 ピカソの全身でもっとも印象的なのは?

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今日、銀治ぃさん(http://plaza.rakuten.co.jp/utsurundesu/)のところで、
ピカソ論「ピカソから考える美術へのアプローチ」が始まりました。
私のあてずっぽうのピカソ談義(というより、おしゃべり)とは違い、本格的なので、
詳しくは是非銀治ぃさんのブログでお読みいただきたいのですが、
その中に、ピカソのペンライト絵のお話が出てきます。
これは嬉しかったですね。
以前、ストロボの魔術師の写真集「ジョン・ミリの宇宙」(みすず書房)を手に入れました。
この本は、古本屋の集まったサイト「日本の古本屋」で検索していただければ、
5000円前後で手に入ります。
その110頁にピカソのペンライト絵を発見したときの驚き!
今でも覚えています。
陶芸の工房の闇の中で、レンズを開放にしたカメラを前にして、
ピカソがペンライトを閃かして、ケンタウロスを描いたのです。
半人半馬の神話的動物の頭部と馬体のほとんどそっくりそのままの形が、
光の軌跡となって、暗闇の中に浮かび出ているのです。
なんと一筆書き!
その軌跡の線の確固たる美しさたるや、言葉では表現できないほど。
ピカソを後半生、実に見事に線を下手に描きました。
これ全部、わざと。
以前、ジョットーが、法王庁のリクルートの使者に、
真円を手書きして見せた話を書きました。
間違いなく、ピカソもジョットーに劣らぬ円を描けたはず。
ピカソの手と心は、史上最高の画家たちと同じくらい、見事に連動していた!
そのことを、このペンライト絵は証明しています。
でも、一番印象的なのは、それではなく、画家ピカソの姿!
ケンタウロスの前足の蹄まで描ききった瞬間、
ジョン・ミリは弱くストロボを発光させて、そのピカソの姿を捉えたのです。
その右眼が、光の軌跡のちょうど隙間にあって、
あのピカソ特有の強烈な眼光を発しているのです。
ピカソとは、「目そのもの」だった!
by Hologon158 | 2009-05-11 21:30 | ホロゴンドラマ | Comments(2)
Commented by canon095 at 2009-05-12 22:39
銀治です。
フォローいただき感謝です。
ピカソがテーブルの上のパンを手に見立てた写真もジョン・ミリでしたっけ?
Commented by Hologon158 at 2009-05-13 14:00
re)銀治ぃさん
いや、こちらこそ、ピカソを巡る面白い記事をどっさり書いて頂き、
楽しませて頂いています。
お書きの写真はまだ見たことがありません。
なお、本文で書きました知の再発見双書で、おそらくミリ撮影のペンライト絵をもう一枚見つけました。
こちらもペンライト一筆書きの女性像で、やはり見事な線!
見れば見るほど、知れば知るほど、ピカソって巨大ですね。