わが友ホロゴン・わが夢タンバール

75.13 ホロゴンデイ22「09年2月21日弘法市から北大路まで」13 ちょうどよい数だけございます


アンドリュー・ワイエスのヘルガの絵、
秘密にしていたのですから、作品として発表するつもりもなかったのに!
画集に収められたものだけでも、238枚もあります。
フェルメールは生涯で30数枚しかないのに!
ワイエスは、おそらくとてもやっかいな手順を要するテンペラで、
極細密の絵を描いたにもかかわらず、無数の絵を残しているのです。
しかも、駄作などほとんどない。
答えはひとつ。
ワイエスにとって、絵は生きることそのものだったのです。
呼吸するように描いたのです。
逆かもしれません、描かないと呼吸できなかった!
義兄は才能のある画家です、
大向こうをうならせるような絵は描かないので、さほど有名ではありませんが、
透明感があってスケールの大きな水彩画を見事を描きます。
この義兄が、ワイエスの水彩画はしつこすぎる、そう言います。
たしかにしつこい。
重ね描きができないはずなのに、なぜか重層的でびっしりと描き込まれています。
でも、ホロゴンの写真もかなりしつこい、そんな写真が大好きな私です、
ワイエスの水彩画もしつこければしつこいほどいい!
もっとも、ヘルガの水彩画にも、あっさり、こってり、両極端がそろっています。
どちらもいい!
モーツァルトがオペラ「フィガロの結婚」を初演したときだったと思います、
来賓の皇帝が言いました、「ちょっと半音が多すぎるようにおもうが」
すると、モーツァルトは答えたそうです、
「ちょうどよい数だけございます」
ワイエスも同じように答えることでしょうね。

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by Hologon158 | 2009-05-24 23:00 | ホロゴンデイ | Comments(0)