わが友ホロゴン・わが夢タンバール

82.26 ホロゴンデイ24「2009年1月10日壷阪山は寂しく雪交じり」26 機敏でいられるように

ニール・バスコムの「パーフェクト・マイル」を読み終わりました。
あんまり素敵なので、なめるようにゆっくりと味わいながら読みました。
すてきな小説は静かにだけど緊張をはらんで進行し、
最後のクライマックスで爆発するものです。
たとえば、フレデリック・フォーサイスの「戦争の犬たち」がそうです。
大冊のほぼ90パーセントは、戦闘の準備の記述に費やされ、
最後の10パーセントで、バンとクライマックス、アフリカの小国の独裁者を奇襲します。
「パーフェクト・マイル」も、
1マイル4分の壁を破った二人の走者が世紀の対決を果たすのです。
1954年8月7日ヴァンクーバーにタイムマシーンで戻ったような緊迫感。
久しぶりに読みごたえのあるドキュメンタリーを楽しむことができました。
中距離レースが一番過酷であるとどこかで呼んだ記憶があります。
そんな過酷なレースで、前人未踏の大記録を樹立する、
これは大変なことです。
まだスポーツ選手が金や国の名誉のためではなく、
競技すること、記録を破ること自体のために運動していた時代の、
終焉を飾る、最後の華。
結果については書きません、是非、この本を読んでいただきたいからです。
その主人公の一人、ランディはこう言います、
「走ることは、人間に重圧に耐えることを教える。
熱狂し、集中し、ひたむきに打ち込むことの大切さを教えてくれる」
サンティは、同様の訓練の大切さを語りつつ、
「それは、すべて現実の人生にも移しかえられることだ。
私は講演をするとき、たとえば海兵隊の若い連中の前に出るときなどは、
その日全体のプランを立てて、
精神的にも身体的にも機敏でいられるようにする。
この2つはけっして切り離せない」
バニスターの言葉も深い教訓に満ちています、
「スポーツとは、自分を甘やかさないことだ。
スポーツでは、予期しないことに適応し、
土壇場になってプランを変更できなければならない。
人生のすべてと同様、スポーツもリスクを負って挑戦するものなのだ」

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by Hologon158 | 2009-06-17 17:49 | ホロゴンデイ | Comments(0)