88.12 ホロゴンデイ25「2006年2月25日奈良東畑で辿るは過疎の道」12 猛烈に奇天烈!
江戸時代の画家にはとても奇妙な現象があります。
たとえば、かなり大量に春画を描く。
奇抜、奇妙きてれつな絵を描く。
このあたりは、世界の画家たちの中で一種の奇観を呈しています。
北斎あたりはその両方をしたようですが、
奇抜絵という観点だけで見ても、伊藤若冲、曽我蕭白は双璧でしょう。
この蕭白の紹介本が新潮社から出ています。
「無頼の画家 曽我蕭白」
帯封に「奇天烈御免!」と赤文字。
まさにその通りの人物、その通りの絵。
蕭白や若冲を見ていますと、幕末維新の志士たちあたりで、
日本の独創的人間の住む余地は失われてしまったのではと思うほど。
その後も、南方熊楠のような人が出ていますが、
どこか規範を全部取っ払ってしまったような奇抜さはちょっとない感じがします。
蕭白の「風仙図屏風」、いいですね!
六曲一双の屏風絵です。
左半分に豪快な黒竜巻風が天空から突進してきて、海を割っています。
右半分、ほぼ中央寄りにこの竜巻を起こした仙人が剣を揮っています。
右隅には突風に吹き飛ばされてずっでんどうと転んでしまった男が2人。
その向こうに、おそるおそる顔をのぞかせるウサギ2匹。
ゴウゴウ、ビュウビュウと烈風吹きすさぶ音が聞こえてきます。
猛烈に奇天烈なのですが、猛烈にリアル。
まるで劇画の世界。
どんな精神構造がこんな絵を創り出したのか、もっともっと知りたいですね。
とにかく分かること、
日本人って、
今よりももっと大きく、
ということは、私たちの常識に反して、
もっと自由だったのです。
by Hologon158
| 2009-07-05 17:48
| ホロゴンデイ
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