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117.11ホロゴンデイ35「2007年12月8日奈良佐保路の冬枯れは華麗」11 違いが分かる

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ナガオカ、
懐かしい名前です。
レコード針のメーカーです。
今まで生き残り、世界のレコード針の80%を作っているそうです。
月産4から5万本、まだレコードが健在なのです。
その現社長、長岡秀樹さんのエッセイを日経文化欄に見つけました。
題して「レコード針 感動刻み続け」
妻のとっている日経を私がいつも取り込みます。
そのとき、一面見出しをざっと眺め、さっと裏返して、文化欄を見る、それが日課なのです。
長岡さんが書いていました、
91年雲仙・普賢岳の噴火の土石流で被災した初老の男性、
残された倉庫からほこりをかぶったプレーヤーを見つけたのです。
若い頃聴いていたレコードをかけてみたら、
「思い出がよみがえり、涙が止まりませんでした。
レコードを聴けなくなると、生きる勇気がまくなってしまいます。
これからもがんばって針を作ってください」
デジタルのCDだけで音楽を聴いてきた方には想像がつかないでしょう。
でも、その前の世代にとっては、レコードで音楽を聴くという行為は一種の文化だったのです。
レコードを聴くためには、さまざまな儀式が必要です。
でも、その儀式を済ませて、レコード盤に針を乗せ、
シューシューという音の後に、ふくよかなサウンドが部屋に広がるときの心のときめき、
これは経験した人間でないと理解できないでしょう。
私も、今では、CDか、もっと簡便なiPodをパワーアンプにつなげて、さっと聴きます。
それでも、なんとも壮麗な音楽が響きわたります。
すばらしい!
でも、その後、真空管のプリ、メインアンプを介して、
往年のアルテックでレコードをかけると、もういけません。
なんというあたたかさ、なつかしさ、やすらぎ、高揚!
デジタルのプリントやブログの強烈なるコントラスト、
切れ込み、鮮鋭、ブリリアントな映像を楽しんで、
(我田引水で、もうしわけありませんが)
自分のブログに戻って、ホロゴン15mmF8の、
あるいはライカのクラシックレンズの画像を見ると、
そのやさしいふくらみに、心が震えるのを感じます。
もちろんスキャナーを介してデジタル化されているのですから、
完全なるアナログではありません。
でも、やはりレンズの独特の味わいが残っている。
この、これが私の喜びなのです。
これもまた、負け犬の遠吠えなのでしょう。
ならば、音楽でも写真でも、喜んで負け犬になってやろうじゃないか!
私としては、インターネット社会そのものがデジタルであるだけに、
アナログ思考の仲間を見つけることができないのが、ちょっと心残り。
でも、自分はぶれない、それが嬉しいですね。

[後書き]
なんだか、近頃、a1 Photoさんの影響を受けているみたいだな、
気味が悪いな、と思って、よくよく考えてみたら、
これらの写真たち、2年前に撮っているわけで、
どうもこんな写真を撮るから、a1 Photoさんの写真に喜んでしまう、
ますます、a1 Photo流写真を撮りたくなってしまう、
悪循環に陥りやすいのが、a1 Photo流写真の怖いところですね。
by Hologon158 | 2009-10-28 18:16 | ホロゴンデイ | Comments(0)