わが友ホロゴン・わが夢タンバール

145.05 ホロゴンデイ44「2010年2月7日清水あたりで京の雅を体験し」5 ボールを見ないで!

大リーグのオープン戦で、「超」がつくスーパープレイを見せたそうですね。
あわやホームランというライナーを、
イチローが壁まで走っていって、ボールを見ないままにキャッチしてしまった!
イチローならではの離れ業をまたもや演じたわけです。
今年のイチローの好調をうかがわせる好材料ですが、
背後から飛来するボールを見ないまま捕球することがどうして可能か?
素人にはとても説明できませんが、
イチローほどの名人になると、打者が打った直後のボールの方向、勢いを見ただけで、
その軌跡、落下位置、補給タイミングを計算できるのでしょうね。
宮本武蔵の五輪書を思い出しました。
「他流に、目付けといふこと」という段。
他流では、敵の太刀、顔、足等さまざまな個所をしっかりにらんで戦うことを教えるが、
武蔵は、そんなことはしてはならない、兵法の妨げになると教えます。
翻訳で書いてみましょう。

     「そのわけは、たとえば、鞠をける人は、鞠に目を付けていないのに、
      難しい蹴鞠の曲足をたくみに蹴ることができる。
      ものに習熟することによって、確かに目で一つを見る必要はない。
      兵法の道においても、敵との戦いになれ、人の心の軽重をさとり、
      兵法の道を体得できれば、太刀の遠近、遅速までもすべて見えるものである。
      兵法の目の付け所は、相手の心に目を付け、心眼を働かせなければならない」

イチローの目と動きは確かに武芸者のそれを思い起こさせます。
彼のときおりの言葉にも、まるで武蔵のように晦渋で深い考慮が感じられます。
古今の武芸者に相通じる極意のようなものを感じることができる、
どうやら私たちは稀有の名人を目の当たりにしているのかも知れませんね。

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by Hologon158 | 2010-03-26 18:02 | ホロゴンデイ | Comments(0)