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154.27 ホロゴンデイ47「2010年3月14日熊本の小都市玉名は初夏並の暑さで」27 時代遅れもよいもので

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さて、私が時代遅れであることを説明しましょう。
私の仕事は、心身をすり減らす、下手をすると鬱病になりかねないものでした。
後で考えると、鬱病寸前だったなと感じる時期を3度ばかり乗り切りました。
私が精神的に強靱だから、乗り切れたのではありません。
友人たちはこぞって否定しますが、私はかなりナイーブな人間なのです。
それでも崩れなかったのは、次の4つがあったゆえ、

   1 強靱なる精神力を持つ、美しい妻が居て、家庭がオアシスだったこと
   2 写真と友人とに恵まれたこと
   3 美しい本、美しい音楽、美しい絵に常に接してきたこと
   4 私は心と生活を線で仕切る特殊能力をもっていたこと
 
この中で、4はちょっと説明を要しますね。
   私は、どんなに短い時間であれ、
   今までしてきたことをすべて完全に忘れ、
   今からすることに完全に心身を傾注できるのです。
私は、思い返してみますと、一生、今、なにをしようかと思い悩んだことがない。
   今この瞬間やりたいことが常に浮かび、それを次々とやって、
   一日の時間全部をありったけ使って、楽しんできたのです。
   一日と書いたのは、寝るときは、睡眠にきっぱり突入し、
   目が覚めると、ぱっと覚醒できるという特技もあるからです。
そして、楽しみの中には、仕事もありました。
さいわい、私の仕事は興味津々、波瀾万丈、疾風怒濤のドラマ性に富んでいました。
おかげで、激務でしたが、仕事も遊びも区別なしにエンジョイできたのです。
でも、これも私はそうだったというだけで、
たいていの同僚はもっと厳粛で沈うつに仕事をしていました。
私は、ナイーブな人間ですが、一面では、ちょっと人間離れしていたようです。
そんな性格のおかげで、私は、
やりたいことをやりたい放題にエンジョイできるという人生を送ってきました。
ですから、深刻な悩みに苦しみ、
その原因を、親や人生や周囲環境や社会や時代に探る、なんて必要がない。

考えてみますと、おそらく鳩山さんもそんな人間なのですね。
でも、私は、彼のような高名な家系に生まれ、
富と権力に恵まれた人生を送ったわけではありません。
鳩山さんの不幸は、そんな恵まれた生活を越えて、
日本をリードする政治家を志し、首相になってしまったこと。
この地位は、彼の能力を完全に超えていたのです。
彼は、結局、自己の能力、資質に対する自己認識が欠如していたのです。

私は、自分に過大な責務を担うという野望をいっさい持たずに一生を過ごしてきました。
要するに、私は、ほんの小石でもずっこけるほどの高下駄を
はかないだけの自己認識と謙抑ができたのです。
でも、ここからは、いわゆる懺悔になりますが、
そのために、私は、かなり自分の能力に余裕を残すやり方で生きてきました。
ですから、いつも余裕たっぷりに人生を楽しめたわけです。
そのために、社会全体に対する目配り、勉強はできるだけ避けてきた感じもあります。
かなり昔から、私はテレビを見ず、現代の諸問題を理解するための勉強を避けて、
いわば美しいものだけをエンジョイする生活に徹してきたのです。
おかげで、完全に時代を理解できない、そんな人間になってしまったようです。
私は、こうして時代遅れになってしまったのですが、
かなり幸せな時代遅れというわけです。
by Hologon158 | 2010-05-10 00:27 | ホロゴンデイ | Comments(0)