158.19 ホロゴンデイ49「2009年12月12日しとしと古都奈良町に冬の雨が降り」19 人生、どこに喜びが
昨日の高韶青リサイタルの興奮と高揚感、
いまだに忘れることができません。
予約券を持つ110人ばかりが先に入場しましたので、
私がゲットしたのは、20列弱の座席の後ろから3番目。
でも、座席が前の席の隙間に来るように配列されているので、見通しは上々。
結果的には、高韶青の二胡も、その右の琵琶も、左のピアノも全部一望できて、
とても気持ちの良い視聴シチュエーションでした。
45歳ほどでしょうか、若々しい高韶青が軽やかに段を駆け上って登場。
アンコールを入れて全12曲、圧倒的な名演を繰り広げてくれました。
それほど期待していなかったのです。
二胡奏者としては、海外に流出したこともあって、いわばマイナーな存在。
でも、二胡の伝統から飛び出たことがよかったのでしょう、
実にスケールの大きな演奏家に進化した人のようです。
最初の「秦腔主題随想曲」の出出しの二胡の音は大変に強烈でした。
あまり男性の二胡を聴かないだけに、豪快なサウンドにまず驚かされました。
弾きっぷりもまた豪快。
全身がまるで舞うように、弾きながら激しく動き、
クライマックスになると、大きく口を開いて、わっと気を吐き出すような勢い。
最初はびっくりしましたが、グールドのハミングと同じなのですね、
全身全霊を音楽に傾注しているために、そんな姿にいわば高揚してしまうのです。
いつもながらと言えば、そうなのですが、
思いがけなく、至福の境にどっぷりと浸る2時間でした。
一気に、高韶青さんのファンになってしまいました。
人生、どこに喜びが待ちかまえているか、わからないものです。
by Hologon158
| 2010-05-30 11:12
| ホロゴンデイ
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