わが友ホロゴン・わが夢タンバール

160.02 ホロゴンデイ50 「2010年2月9日晴れの天王寺で僕はごきげん」2 君、コンセプト持ってる?

天王寺は活気のある町です。
ニューシティから裏町まで、さまざまなエリアがまじりあって、
飽きないですね。
    森山大道さんのような写真家なら、
    「新宿」のように、町を主人公に、写真集を企画して、
    せっせと通うでしょう。
    おそらくそんな写真家も5人や10人ではきかないでしょう。
    大阪という大変フォトジェニックな大都市をライフワークとする写真家なら、
    数十人以上いるでしょう。
そんな写真家たちがどんなコンセプトで大阪を撮っているのか、
私には見当もつきませんが、
切り口となるコンセプトは数知れずあることでしょう。

十年ばかり前お会いした写真家がこうおっしゃっていました。
    「コンセプトを持って、意識的に写真を撮り貯めている人の写真は強い。
    なんにもコンセプトを持たないで、漫然と撮っているだけでは、
    弱い写真しか撮れません」
その言葉を聴いて、私がどう考えたか?
    このブログにしばらくおつきあいになっていたら、
    あなたはその答えを容易に推測できますね。
    こう考えたのでした、
        コンセプトに沿って写真を撮るなんて、ごめんだな。
    なぜか?
        コンセプトに沿わないものが撮れなくなってしまうのです。
たとえば、「廃屋のエレジー」をコンセプトに選んだとしましょう。
    一日歩いて、廃屋に何軒会えますか?
    一生懸命調べ上げて、何時間かかけて、お目当ての廃屋を尋ねて行く、
    そんなこともあるでしょう。
    しんどいし、退屈ですね。
じゃ、いくつもいくつもコンセプトを重複して作っておけばいいじゃないか?
そうおっしゃる方もおいででしょう。
    でも、ごめんなさい、そんなもの、コンセプトとは言わないのではありませんか?
何にも考えずに写真をどっさり撮って、あとでコンセプトを考えたら?
    これはもう、お話になりませんね。
    コンセプトというのは、
    写真家の心の中からわき出てくる表現意思から生まれてくるものです。
    なんにも表現意思がわき出てこない人がかってにコンセプトを作るって、
    かなり動機に問題ありではありませんか?
もっとも、以前、東京の高層ビルの上から写真を撮るという写真展がありましたし、
たとえば、めがね橋ばかり撮りだめている方もいたようです。
私に言わせると、こんなもの、たんなる写真収集であって、コンセプトではない。

というわけで、このこともまた、私を写真家志望からさらに遠ざける事情となったわけです。
私は、結局、苦しい努力と研鑽を経て、写真家になりたいなんて、思ったことが一度もない。
    ただ、写真を撮ることで人生を楽しみたいだけ。
天王寺を幾度も撮るのも、ここで、一つの表現を創造したいわけではない、
    ただ、面白いから、楽しいから。
    ですから、どんなものに出会っても、面白いと感じたら、撮る!
気楽なものです。

よく妻が文句を言います、
    「あなた、いつも今日は何本撮ったって言うけど、
    写真は本数じゃないのよ!
    なにを撮るか、なの!」
私は、反論はいたしません。
議論しても、ぜったいに勝てないから。
でも、心の中でつぶやきます、

    「ちがう、写真は本数、コマ数だよ」

         
160.02  ホロゴンデイ50 「2010年2月9日晴れの天王寺で僕はごきげん」2 君、コンセプト持ってる?_c0168172_17172755.jpg
160.02  ホロゴンデイ50 「2010年2月9日晴れの天王寺で僕はごきげん」2 君、コンセプト持ってる?_c0168172_17173432.jpg

by Hologon158 | 2010-06-04 17:20 | ホロゴンデイ | Comments(0)