164.42 ホロゴンデイ51「2010年4月24日お気に入りの心斎橋は今日も華」42 より悪い状態に
「文明の進歩というものは必ずしもより良い状態に向かって一様に動くものではない」
これはホワイトヘッドの言葉です。
少なくとも日本人にとっては、戦後30年ばかりは、良い方向に向かっている、
そう信じる人が多かったでしょう。
経済的状況、生活状況が好転することで、世界はバラ色に見えたのです。
でも、1991年のソ連共産主義政権の崩壊の頃からでしょうか?
良くも悪くも一応安定していた国際秩序がガラガラと音を立てて壊れ、
完全なる無法とノン・ヒューマニズムの混沌世界が地上を覆ってしまいました。
民族主義、自国第一主義が基本原理となり、
国際間の協調やヒューマニズムは完全な絵に描いた餅になってしまいました。
表看板にはするけれども、裏に回れば、完全無視。
人口が爆発的に増大した当然の帰結として、
超高齢化時代が各国を遅かれ早かれ覆い尽くそうとしています。
日本はその尖兵のようなものです。
夢や希望が失われ、文明の進歩に対する神話も崩れ去りました。
大企業も、次第に地盤を多国籍化しようとしています。
この傾向が続けば、国家を超える企業が出現するでしょう。
そうした企業が企業間連合を組んで、国家を超えてニッチを拡大し、
国家の主権を無視し、あるいはある国の軍事力を利用して、
世界を支配しようとするかもしれません。
搾取する国と搾取される国の格差も飛躍的に増大することになるでしょう。
でも、私たちは物質的な進歩を喜ぶあまり、私たちの知らぬところで、
世界がどんどん野蛮の方向にすべり落ちていることに気づかないだけなのかも?
どうも文明の進歩は、逆により悪い状態に向かって知らぬ間に動いていく、
そう言った方が適切かも知れません。
by Hologon158
| 2010-08-08 15:27
| ホロゴンデイ
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