わが友ホロゴン・わが夢タンバール

170.29 ホロゴンデイ53「2010年5月11日大阪玉造から鶴橋へ下町お遍路」29 じゃじゃ馬ならし


もちろん、たとえば、私のホロゴン15mmF8の描写力なんて、
    デジタルカメラの描写力に比べると、もうまるで格下ですね。
    露出計も距離計もないうえ、距離の設定も変えることができない。
    シャッター速度も500分の1秒までしかありません。
    カメラ本体よりもちょっとでも指を前に出したら、
    写真にソーセージが写ってしまう。
    指を前に出さないで、カメラをしっかりホールドする難しさ。
    ファインダーはあるけど、パララックスがありすぎて、役に立たない。
要するに、実にプリミティブなカメラです。
    そのうえ、周辺減光が激しく、四隅は中央の8分の1の明るさ。
    まん中に露出を合わせると、周囲は暗く落ちてしまいます。

でも、不思議ですね。
    人間、あんまりすんなりと征服できると、にわかにやる気が冷めてしまうものです。
    恋もカメラも同じ。
    シェークスピアじゃありませんが、「じゃじゃ馬ならし」こそ、生き甲斐。
ホロゴンはまさにじゃじゃ馬です。
    猛烈に使いにくければにくいほど、いつかコントロールしてやるぞ、と、
    夢を描き、野望を燃やし、営々と努力できるのです。
    何度も書いていますが、ホロゴンウルトラワイドを使い始めて、
    早々に決意しました、1000本斬りだあ!
    14年間営々とお付き合いし、もう4千本近く撮りましたが、まだ無理。
    こうなると、1万本斬りだ!
でも、そうやって人を驚かす作品を撮りたいわけではありません。
    ただロボグラフィを私の心にかなうところまで仕上げてゆきたいだけ。
    誰も気に留めぬ、路傍のものたちの地味な写真ばかり撮って、
    かってに「ロボグラフィ」と名付けて、撮り続ける。
    すでにこのような写真を喜ぶ人は私以外にはほんの一握りと分かっています。
でも、私にとって、私の写真の究極のターゲットは、私自身。
この私は、巧い写真が大嫌いな人間、
    人が喜ばないような、ただその場で撮っただけの素人写真が一番、
    そう考えている人間なのですから、やっかい。
努力の方向は、だから、高度な技へではありません、
    
    自然で素直な反応へ



170.29 ホロゴンデイ53「2010年5月11日大阪玉造から鶴橋へ下町お遍路」29 じゃじゃ馬ならし_c0168172_1635941.jpg



        [後書き]
            こんな写真を喜ぶ人ってどんな人なんでしょうね?
            私は、自分が撮ってたので、素直に喜んでいます。
            要するに、私は素直な人間。
            でも、自分で撮ったのじゃないのに、喜ぶ人って、
            素直じゃないですね、
            かなり変わっている人でしょうね。
            (そんな人、いないかな?、いや、2、3人は知ってます)
by Hologon158 | 2010-09-02 16:08 | ホロゴンデイ | Comments(0)