178.09 ホロゴントラベル6 「2005年9月14日弘前は雨だった(補遺編)」9 黒の写真家たち
yoshiさんは、近頃、黒の比重を高めておられるようです。
もちろん、以前から黒の表現力に優れておられ、
黒の中の黒、シャドウの中のシャドウを表現の武器にしておられる、
とても珍しい写真家です。
珍しいというのは、
よほど強力な表現力がないと、
ダークな写真はただの露出不足にしか見えないからです。
大人になっても、あまり暗がりで遊ばない方がよいということでしょうか?
昔から、黒は強さを現してきたようです。
一番有名なのが、イギリスの黒太子(ブラックプリンス)エドワード。
戦に無敵と言われた人です。
そして、ルネサンス時代にも、
「黒のジョバンニ」と呼ばれる傭兵隊長が活躍しました。
新潟には、nontanさんという闇の写真家もお出でになります。
(http://nontan91.exblog.jp/)
yoshiさんは、手持ちで、わずかな光を利用して闇を撮り、
nontanさんは、光のほとんどないところで、闇を撮ります。
越後には、くらーい写真家が多いようですね。
でも、このお二人とも、とても明るくて、活力に溢れた人物で、暗さなどありません。
それとも、お二人とも、心の奥底深くにどす黒い闇を隠しておられるのでしょうか?
だとすると、お二人は、私のような凡人には見抜けない深さをお持ちに?
お二人には、ちょっと違いがあります。
nontanさんは、闇を通して清らかな調べを奏でられます。
yoshiさんは、ときには黒をきしませて、
禍々しいほどにデモーニッシュな不協和音をジャンと響かせます。
どちらにせよ、凄みがあります。
写真作品に黒を活用する可能性を二人して開拓しておられる、
そんな感じさえします。
このお二人の作品作りがますます楽しみです。
[後書き]
私の場合は、黒の写真を狙っているわけではありません。
ただ、雨の地面、壁の面白さに惹きつけられて、ホロゴンを向けただけ。
ご承知のように、肉眼は、ちゃんと自動露出を働かせて、
暗いところでも、かなり明るく見えるものです。
ホロゴンも同様、暗いところでも、見事シャドウを拾ってくれます。
だから、私の場合、文責ならぬ写責はあくまでもホロゴンにあります。
誤解のないようにお願いします。
by Hologon158
| 2010-10-07 15:19
| ホロゴントラベル
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