185.34 ホロゴントラベル7「グレートブリテンって、いのちの洗濯場だった」34 ハワースにて
イギリスの18、19世紀の偉観は、
3人の若い女性が偉大な文学作品を次々と生み出したことです。
「高慢と偏見」をジェーン・オースティンは20歳過ぎに執筆しました。
姉シャーロット・ブロンテは「ジェーン・エア」を31歳で、
妹エミリー・ブロンテは「嵐が丘」29歳で、いずれも1847年に刊行。
お読みになった方は多いと思います。
西欧の多くの古典文学作品が、かなり硬い歯でないとかみ砕けないのに、
この3作は違います。
それぞれまったく異なる人物、設定、物語なのですが、
そのすべてが極上、読み始めたら、もう止まらない!
もっとも、イギリスの文学は「トム・ジョーンズ」にしても、
「虚栄の市」、ディケンズの諸作品にしても、例外なしと言いたい位に、
全部、面白く、読みやすいのが特徴なので、
この3作が例外とは言い難いようです。
でも、ほとんど社会的経験、人生経験を積まない彼女たちが、
現代ほどの情報収集もおそらく無理だったと思われるのに、
さりげなく、でもぐいぐいと、人間の心の奥底まで食い込んで行く、
心理小説とも言えるような文学を創造したのです。
その根底には、一種の社会と文化の成熟があった、
私にはそんな風に感じられます。
その「嵐が丘」の舞台となった、ヨークシャーのハワースを尋ねました。
高い山はなく、秋になるとヒースと呼ばれる花が一面を覆う、
やはりヒースと呼ばれる荒れ地が周辺に茫漠と見える、
不思議な雰囲気の町でした。
№32のギタリストは、このハワースで撮りました。
今回も、ハワースともう一つ別の町のB&Bの部屋の片隅。
きっとB&Bの経営を主題とする雑誌なんかがあって、
部屋のインテリアについても特集したりしているのでしょう。
かなり似ています。
日本とはテイストが違いますが、
なかなか上品で、好感が持てますね。
そして、どこか「嵐が丘」「ジェーン・エア」の雰囲気をなぞっている。
さて、質問。
どちらが「嵐が丘」の舞台ハワースのB&Bか、分かりますか?
by Hologon158
| 2010-11-11 11:34
| ホロゴントラベル
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