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188.33 ホロゴンデイ56「2006年7月8日 京の北山はやっぱり夏がいい」33 傑作が消えてしまう!


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バスの中で薬師寺の秘仏特別公開のチラシを見つけました。

    大宝蔵殿特別公開「吉祥天女のすべて」
            10月5日から12月12日まで

奈良時代の最古の画像として、国宝に指定されています。
    唐朝の美女、たとえば、楊貴妃のような、
    ふくよかでたおやかな美しさに満ちています。
    玉を載せた左手の優美なこと、どうでしょうか?

絵師は、誰なのでしょう?
    どんな気持ちで描いたのでしょう?
    モデルはどうしたのでしょう?
    若干右手が不自然ですが、自然なプロポーション、
    確かな筆致、かなりのデッサン力。
    どう観ても、かなりの画家です。
    奈良朝にも、そんな天才画家が居たのです。

この画家、生涯にたった一枚しか描かなかったとは思えません。
    諸寺を初めとして、かなりのユーザーが絵を求めたことでしょう。
    その絵はみんなどこに行ってしまったのでしょう。
    この絵も、明治初年に再発見されたそうです。
    たった一枚だけでも残ったのは、幸運とむしろ言うべきなのでしょう。

でも、だとすると、余計に残念な気持ちにかられます。
    この吉祥天女がこの画家の最高傑作だった確率は限りなく低いからです。
    保存者が、歴代、累代、この絵こそ最高傑作だと考えて保存したとは、
    とても考えられないからです。
    残ったのは、当然ながら、偶然、天の配剤。
    もっと素晴らしい絵、同等の絵がどっさりあったに違いないのです。

こんな風にして、あなたの傑作写真も消えてしまうかも知れませんよ。
    永代保存については、よくお考えになって下さいね。

えっ、お前の写真はどうするんだ、ですって?
    私の場合は、しっかりと環境保全を配慮して、
    全部、有害ゴミとして廃棄してもらうことになっていますので、
    ご心配なく。



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by Hologon158 | 2010-11-23 00:19 | ホロゴンデイ | Comments(0)