193.18 ホロゴントラベル8「2005年2月25日、岡山牛窓は絶好のホロゴン日和」18 近づけば近づくほど
アメリカの抽象画家アド・ラインハートは、
「黒い絵画」で知られました。
幾つかのグラデーションの黒の正方形を並べた作品は、
高さが3メートル弱ありましたから、
実物を目の前にすると、
きっと黒の世界に吸い込まれるような気分になることでしょう。
実にシンプル、
だけど、強力。
このラインハートの1957年の講演の言葉は含蓄に富んでいます。
「絵画は、機能や関連性や付随物を持てば持つほど、
純粋でなくなる。
多くのものを詰め込めば詰め込むほど、
作品は複雑化し、劣化する。
より多いことは、より低いことだ」
まさに、ホロゴン写真は、多くのものが詰め込まれる危険が一杯。
私もまた、口癖は、Simple is the best.
私がとった解決法は、私らしく、単純でした。
超接近水平垂直撮影法
離れれば離れるほど、多くが詰め込まれる。
じゃあ、近づけば近づくほど、写るものは少なくなる。
多くの人は単純過ぎる、そう考えるようで、
そのような解決法を撮るホロゴン使いは少ないようです。
たいてい1メートル以上離れて撮っておられます。
私は50㎝前後がスタンダード。
前回の女性など、40㎝程度でした。
今回の滑車は、30㎝程度でしょうか?
ホロゴン15mmF8の被写界深度は60センチから無限大ですから、
この滑車、実はアウトフォーカス。
でも、形は残っています。
つまり、どこまで近づいてもよい。
ですから、ラインハートに習って、
私のホロゴン信条はこうまとめたいですね。
近づけば近づくほど、シンプル。
遠のけば遠のくほど、複雑。
より遠いことは、より低いことだ。
by Hologon158
| 2010-12-06 18:29
| ホロゴントラベル
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