わが友ホロゴン・わが夢タンバール

193.49 ホロゴントラベル8「2005年2月25日、岡山牛窓は絶好のホロゴン日和」49 よーし、いいよ


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奈良の写真家の写真で、よく見かけるのは、鹿の写真ですね。
    奈良公園のような市中の公園に鹿がいるというのは、
    世界に珍しいですね。

鹿の撮影のポイントは、次の2つでしょうか?

        1 時間と場所を選ぶこと
        2 シチュエーションを選ぶこと

鹿の撮影をする方は、夜明け頃から朝方、夕方を主に選ぶようです。
    風景写真家ですから、たいてい前もって、絵を描いています。
    こんな状況で、こんな動作をこんな背景で。
    そこで、鹿をそこに誘導する必要があります。
そのために常用されるのがパンのヘタのようです。
    ビニール袋にどっさり入れておいて、適宜、地面においたり、食べさせたり。
    鹿は、ふつう人に近づきませんが、餌をくれる人には進んで近寄ってゆきます。
    ときには、後ろから近づいて、腰をぐいと押して催促することだってあります。
    要するに、鹿の警戒心を解くこと。

ある日、奈良の鹿の撮影の名所、飛火野で、
おもしろい光景を見かけたことを思い出します。

    写真家が助手を使って鹿を撮影しようとしていました。
    写真家は三脚にカメラをセットして、
    選んだ背景に鹿を誘導したいようです。
    助手が所定の場所にパンを置きました。
    写真家、「よーし、いいよ」
    助手、いそいそと写真家の側に戻ろうとしました。
    鹿は、餌をくれる助手が行ってしまうと考えたらしく、
    助手のうしろについてトットッと駆けだしてしまいました。
    写真家、「バカッ、こっちにくるんじゃない!」

この「バカ」は、鹿ではありません、助手のこと。
    助手は、鹿の近く、レンズの視野の外にとどまり、
    次のパンを供給したり、写真家が望む動作を誘導しなければならないのです。
でも、私には、むしろほんとのバカは写真家の方だと思われます。
    こんな仕掛けで、鹿の自然な生活を撮ろうとすること自体、無理があります。

まじめに鹿を撮っているカメラマンは、
    そんな姑息な手段ではなくて、
    鹿の生態を理解することから始めます。

    しっかりと鹿たちにつきあってこそ、
    よい写真が撮れるのではないでしょうか?
by Hologon158 | 2010-12-14 00:44 | ホロゴントラベル | Comments(0)