195.03 ホロゴントラベル8「2010年12月5日大阪茶屋町にズミクロン50mmf2見参」3 現役パリパリだったのに
私のズミクロン、気に入りました。
銀塩カメラとクラシックカメラ市場衰退の現代は、
申し訳ないけど、私には全盛期。
もう信じられないようなお値段で、
おそらく未使用、新品同様のズミクロンが手には入るのです。
なぜ未使用と分かるか?
1 ボディがまったくさわられた形跡がない。
普通、ズミクロンはピカピカツルツルの鏡胴に擦り傷という状態です。
ところが、このズミクロン、表面がちょっとざらっとした艶消し状態、
そのうえ、擦り傷ゼロ。
2 絞り羽に擦過痕がない。
絞りを操作して撮影した人があまりいないよいうです。
3 無限遠ストッパーが堅くて、なかなか出し入れできない。
つまり、使った痕跡がないのです。
購入先のお店のコメントは「これほどの良い状態のものが出ることは稀」
おそらく、そのとおりでしょう。
製造から半世紀、このズミ君、どこでなにをしていたのでしょう?
ちょっと想像がつきませんね。
販売当時はまだ現役パリパリのレンズだったのです。
ライカにはズミクロン50mmというのが定番中の定番でした。
これを使わない理由が分かりません。
千住真理子さんのストラディヴァリウス「デュランティ」を思い出しました。
デュランティも、制作者がローマ教皇に献上して以来300年、
ほとんど使用されないままに所蔵されてきたそうです。
ヴァイオリンは木製で、しかも強力なる弦で引っ張られ続けるという過酷な条件。
それなのに、300年眠ってきた。
ずっとしかるべきメインテナンスが施されてきたのかも知れませんが、
どんな楽器は使用されてはじめて熟成すると言います。
名手が使った楽器は、素人が弾き倒した楽器とはまるで違うと言います。
ヴァイオリンは木製だけに、なおさらでしょう。
千住真理子さん、きっと大変な補修を必要としたことでしょう。
購入費用、補修費用、弓の購入、メインテナンスと考えますと、
千住真理子さん、借金まみれなんじゃないかと心配になります。
これは余計なお世話ですね。
ズミクロンは、そんな伝説の楽器ではありませんが、
その姿形は、まさに工芸品と言うべきでしょう。
すべての作りが完璧で、しかも、
ライカレンズというのはデザインも最高です。
それだけに、使用されなかったことになにか深い事情があったのでは?
そんな風に勝手に謎を持ち込んで、
1人、ニコニコしているのです。
by Hologon158
| 2010-12-17 00:01
| ホロゴン外傳
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