212.40 ホロゴンデイ63「2010年1月23日 秀吉の故地、滋賀長浜は雨だった」40 逃げられないものは
[Rara Avis展大阪展開催中。2月16日ホロゴンデイ212.19をご覧ください]
仲代達矢さんの自伝「遺し書き」(中公文庫)を読みました。
奥様の宮﨑恭子さんへの思いを綴った下りは、
涙なくしては読めません。
この本の中で、とっても私にぴったりくる言葉に出会いました。
恭子さんが養女の奈緒さんに送った手紙の言葉。
「恐れても、逃げられないものは恐れるな。
おびえても何にもならないものについては、おびえるな。
そうおばあちゃんに小さいときに教えられました」
いい言葉ですね。
私もそう考えて生きてきました。
死もその1つですね。
誰もがいつかは死ぬ。
いつ死ぬかも分からない。
だから、それまでは、死などないもののように生きたいものです。
自分の死は恐れません。
だけど、妻や近親の死は恐れます。
できれば、親しい人すべてよりも先に逝きたいものです。
しかし、これもまた選択できません。
要するに、恐れても逃げられないものなのです。
だから、恐れないで生きたいものですね。
後年、奈緒さんが歌手としてデビューした当時、
恭子さんはこんな詩を送ったそうです。
美しいことは
優しいことは
強いこと
柔らかいことです
柔らかく強い心で
夢を追ってください
仲代達矢の心を通して見ているので、
少しはフィルターがかかっているかも知れません。
しかし、この宮崎恭子さん、とても魅力的な人のようです。
夫に残した言葉がそれを証明しています。
次元を超えて「思いの濃い魂のための世界」があるかもしれません。
長いことありがとう。
また逢いましょう。
最高の愛をこめて
配偶者に向かってこれだけの言葉を言える人が幾人いるでしょう?
by Hologon158
| 2011-02-22 19:51
| ホロゴンデイ
|
Comments(0)