わが友ホロゴン・わが夢タンバール

214.04 ホロゴンデイ63「2011年2月13日 現代都市神戸に80歳のオールドカメラ見参!」4 時の鏡

   [Rara Avis東京展まであと3日。2月16日ホロゴンデイ212.19をご覧ください]


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義兄の絵を壁にかけ、スポットライト2個で照らして、
つくづく眺めてみました。

私も数日間ブルージュに滞在したことがあります。
義兄はこの町が大好きで、もう幾度行ったことでしょうか?
10度ではきかないでしょう。
だから、絵にしみじみとした愛情が染み渡っています。

なんで、売れなかっただろう?
絵がちょっと大きすぎることもあるでしょう。
でも、いちばん大きな原因は「華」がないこと、そうじゃないかな?
義兄だって、売りたい絵は売りたいという風情で展示しています。
一番華麗な絵たちはメインギャラリーの正面にずらり顔見せをしています。
スポットライトの当て方も効果的で、それぞれに赤が必ず効いています。
お互いに引き立てあっています。
セカンドクラスだけど、売れる絵にも、ちゃんと地味なお付きを付けて、
額縁効果で引き立てています。

私の絵(そう、もう私の絵なのです)は、階上のサブギャラリーの奥の壁に、
一人ポツンとやや暗めのスポットライトにさびしげに浮かび上がっていました。

アクセントとなる赤はどこにもありません。
赤があると、たしかに絵がきらりと輝き、部屋が明るくなるでしょう。
でも、私が気に入ったのは、この「華」がないこと故だった!
自分の書斎に収まった絵は、激しく自己主張せず、
それでいて、無視できない存在感を漂わせて、
そこにあります。

この絵も「時の鏡」なのです。
のぞきこむとき、ある日あるときのブルージュの町に居るのです。
フェルメールは、古今未曾有の名作「デルフトの眺望」で、
同じことを自分の町のためにしました。
この絵とともに、フェルメールの時代のデルフトが永遠に生きるのです。
義兄の絵は、居ながらにして、
私の大好きなブルージュの町の空気を吸うことを可能にしてくれました。

赤は、絵を引き立てますが、その部分に注意を引きつけるという難点があります。
この絵は赤がないので、心おきなくブルージュの風を頬に感じることができます。

私の部屋が大きく広がりました。

[後書き]
私は、写真を記事にアップするとき、レベル補正で濃度を整えるだけ。
スキャン時も含めて、アンシャープマスクもかけず、細工もしません。
でも、プラズマート70mmF2.7の写りは光彩陸離という感じ。
by Hologon158 | 2011-02-28 22:46 | ホロゴンデイ | Comments(0)