229.11 ホロゴンデイ69「2007年10月13日天理の空は秋晴れだった」11 出会うと分かる!
まだ、心のことを考えています。
どんな芸術でも、
制作者、演奏家の心がそのまま感じられるパフォーマンスに出会います。
とても稀です。
でも、出会うと、分かります。
違うからです。
作品がぐんと私の心に飛び込んできます。
そんな作品を作ることができたら、本物です。
偉大な芸術作品はすべて、制作者その人がじかに感じられます。
もちろん共感できる心だけを感じることができるだけですから、
どんな芸術家もすべての鑑賞者に感じてもらうわけにはいかないでしょう。
そもそもどんな偉大な芸術も感じることができない人だっているはず。
心は、いつも養分をあげて育ててあげない限り、
しぼんでしまい、枯れてしまうからです。
私の場合、共感できる範囲は、もしかすると、とても狭いかも知れません。
肯定的なものだけを受け入れようという強烈な志向が働いているからです。
否定、悲観、不幸、非難といった感情が支配する心は、
ときには、私の心をなえさせてしまいます。
芸術は、心を奮い立たせるもの、希望をかきたてるもの、
生きる意欲、エネルギーを生み出すものだけをうけいれたいのです。
たとえば、棟方志功。
爆発するような生命力、気迫を感じることができます。
すべての作品が叫んでいます、
生きていることは、よいことだ!
真摯な精神の持ち主は、この世の悪にも悲劇にも目を背けません。
直視し、真っ向から受け止めます。
そんな方のまなざしは深く、常に悲しみに満ちています。
私には真似ができません。
というより、したくない。
おかげで、現代芸術のほとんどに、私は共感できません。
私は分かる、と軽くおっしゃる方がいます。
そんな方は、分かっていない。
分かるって、とんでもなく重いものですから、
そんな軽く肯定できるようなレベルの問題ではないからです。
いずれにせよ、芸術と私との間は、とてもプライベート。
それだけに、じゃまが入らない環境で、芸術と向かい合いたいものです。
by Hologon158
| 2011-05-18 19:10
| ホロゴンデイ
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